『鬼滅の刃』が迎える初の正念場
フジテレビは『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を放送。テレビアニメ版も合わせると実質3度目の放送となるだけに、「大ブームから2年が過ぎた今、どれくらい人気を保っているのか」が問われる形になりそうです。
『鬼滅の刃』は、もともとテレビ放送がフジテレビではなく、独立局や地方局からスタートしたこともあり、「配信サイトで見てきた」という人も少なくありません。現在のファンはフジテレビの都合に合わせた放送ではなく、「配信で見たいときに見る」という人が多いのではないか。
そんな不安を覆し、今なお高視聴率を得られるのなら、「ジブリ映画のように1~2年に一度の間隔で放送する」という形も考えられるでしょう。また、10日の放送では新シリーズ「刀鍛冶の里編」の最新情報も予告されているだけに、「『鬼滅の刃』そのものへの関心をどれだけ保っているのか」を占う試金石にもなります。
また、放送終了後の21時30分からアニプレックスの公式YouTubeチャンネルとABEMAアニメチャンネルで、『鬼殺隊報-アニメ「鬼滅の刃」新章開幕SP-』も配信されるだけに、フジテレビだけでなく、すべての関係者が気になっているはずです。
ちなみにテレビ東京は『ザキヤマの街道歩き旅』を放送。こちらは淡々と不定期放送されている特番の第4弾であり、真価や放送意義を問われるという意味合いはありません。ただ、やはり「旅」という異なるジャンルのため、4者の戦いに少なからず影響を与える伏兵のような存在になりそうです。
テレビ東京も含めた民放5社がまったく異なるジャンルの特番をぶつけ合う10日夜は、まさに生き残りを賭けたカオス状態。視聴率争いはもちろん、ネット上でどの特番が話題の中心となり、ツイートやネットニュースが飛び交うのか。ツイッターのトレンドランキングや関連ニュースのコメント数なども注目が集まるでしょう。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。