「ギャングの人たちがボディガード」小競り合いは日常茶飯事
当時の池袋西口公園(時事通信フォト)
ロケが行われたのはまさに池袋。人気芸能人が集まる現場だけあって、ファンの女性や見物人が多く集まった。G-Boysのモデルとなった、本物のギャングたちも現場を囲み、警察官も警備に現われ、小競り合いは日常茶飯事だったという。
「ギャングの人たちがボディガードをしていたんです。女性ファンがジャニーズ事務所の長瀬さんや山下さんの写真を撮ろうとフラッシュをたくと、すぐに飛んでいってカメラを奪ったりしていました。ギャングの人たちにとって池袋は“自分たちの街”なので、オレたちが仕切るんだ、という感覚だったんじゃないですか。実は、あの方たちは少し出演もしているんです。変に絡んでくる人もいたので、めっちゃ恐かったですよ(笑)」
しかし、きら星のような共演者と撮影する毎日は刺激的で、ドキドキの連続だった。
「カメラが回っていないときの長瀬さんはフランクで、みんなといつもワーワーふざけている、すごく面白い人でした。でも、切り替えがすごくて、たとえば、最後のほうで、仲間のシュン(山下智久)が殺されるんですけど、長瀬さんは直前まで笑いながらふざけていたのに、本番に入ったとたんに号泣していましたからね。すごすぎました」
長瀬と絡むシーンは多かったが、長瀬はジャニーズ事務所のアイドルスター。脇さんは長瀬に覚えてもらっているとは思わなかったが……。
「10年ぐらい後にバラエティーのお正月特番でご一緒したので、『覚えていないと思うんですけど、僕、IWGPで共演させていただいたんです』とお話ししたら、『覚えてるわ! ワッキーを忘れるほどボケてねえよ!』って返してくれました。嬉しかったですね」
絡みが多かったのは、ギャング集団・G-Boysのリーダー・キング役の窪塚洋介だ。窪塚は本作のぶっ飛んだ演技でブレイクした。
「G-Boysの出演は3、4話までの予定だったのに、窪塚さんがブレイクしたのでG-Boysも窪塚さんと一緒に最後まで出ることになったらしいです。窪塚さんに感謝です(笑)。アドリブでのお芝居もけっこうあって、キングになりきって演じていました。
でも、ドーベルマン(坂口憲二)とキスするシーンは、アドリブではないです。坂口さんに『失礼しまーす』と言ってからキスしていましたから(笑)。カメラが回っていないときの窪塚さんは、“おっとりしているときのキング”みたいでした」