検察は山上被告の刑事責任能力の有無を調べるため、昨年7月25日に奈良西警察署から大阪拘置所に身柄を移して鑑定留置を続けていた。当初は11月下旬までの予定だったが、検察側の申し立てにより1か月半ほど延長されて1月10日に終了。通常の鑑定留置は3か月程度のケースが多く、約半年にも及んだのは異例の長さだった。
「これほど長くなったのは、入念に山上被告のことを調べ上げたからにほかなりませんが、調査以外の理由もあるとみられています。それは今後の裁判への影響を考え、世間が彼の犯行を冷静に受け止められるよう“世論の沈静化”を待った可能性も考えられる。検察側としては、一部で山上被告の減刑を求める声などが出ている点が見過ごせないのでしょう」(社会部記者)
事件後、山上被告の生い立ちが明らかになるにつれ、同情する声や、国を動かした行動力を“英雄視”する動きも出てきた。昨年の山上被告の誕生日(9月10日)にはSNS上に祝福コメントが集まり、減刑を求めるネット上の署名は1万人を突破。全国からお菓子や洋服、現金などの差し入れが続々と拘置所に届き、ファンレターが送られてくることもあった。現金書留の総額は、100万円を超えているという。
そして、この異様とも言える盛り上がりを山上被告自身が知っていると考えられるのだ。前出の山上被告の弁護士・古川さんが語る。
「本人(山上被告)は事件がどう報じられているのか、関心を持っているようです。新聞広告で事件が取り上げられている週刊誌を探し、購入して目を通していたようです。本人が、英雄視されていたり減刑署名が集まっていることを把握しているかについては、お話しできません」
※女性セブン2023年2月2日号