国内

山上徹也被告「事件の報じられ方」に関心 鑑定留置長期化は“世論の沈静化”が狙いか

(共同通信社)

逮捕時の山上被告。2022年7月(共同通信社)

 世界中を震撼させた事件から半年が経った。山上徹也被告(42才)は異例ともいえる長期の鑑定留置を終え、殺人罪と銃刀法違反で起訴された。拘置所では何を話し、どんな生活を送っていたのか。

「昨日(1月11日)面会してきましたが、健康状態は問題なさそうです。これまでの半年で本はたくさん読んでいると思いますよ。彼がどんな本を差し入れとして希望したか? 『歴史書』とか、そんな感じです」。

 こう話すのは、1月13日に安倍晋三元首相(享年67)を殺害した罪で起訴された、山上被告の弁護団のひとり、古川雅朗弁護士だ。現在、山上被告に面会できるのは3人の弁護士で構成される弁護団と一部の親族のみ。古川さんが面会した山上被告の様子とともに語ったのは、これから始まる裁判について。悩ましい表情でこう続けた。

「初公判がいつになるかは、まだわからないんです。裁判の前に、事件の争点や証拠などを確認する公判前整理手続きがこれから行われますが、その手続きだけで1年以上かかる可能性も大いにあります。結審までは、さらにそこから数年かかるとみています」

 戦後史に刻まれる大事件から半年。止まっていた時計の針が動き出したように見えたが、その動きは遅い。そんな中、山上被告本人の「肉声」が伝え漏れてきた──。

 昨年7月8日、山上被告は奈良県内で遊説中だった安倍元首相を手製の銃で殺害した。「逮捕後の供述によれば、山上被告は母親が旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に1億円を超える献金をしたことで家庭が崩壊し、教団に恨みを募らせるようになった。教団の活動を国内で広めたのが安倍氏だと考え、襲撃の対象に選んだと話しています」(捜査関係者)

 この供述により、世間は旧統一教会と政界の結びつきに注目。教団と関係してきた国会議員は責任を問われ、宗教信者を親に持つ「2世」の境遇も問題視されるようになった。昨年12月には宗教法人などによる悪質な寄付の勧誘行為を規制する「被害者救済法」も成立した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《広陵高校暴力問題》いまだ校長、前監督からの謝罪はなく被害生徒の父は「同じような事件の再発」を危惧 第三者委の調査はこれからで学校側は「個別の質問には対応しない」と回答
NEWSポストセブン