スポーツ

人気急上昇の女子プロレス団体「スターダム」 超満員12.29両国国技館大会に潜入

セミファイナル。元バイトAKBのメンバーだった神谷沙弥選手はこの日、梅咲遙選手を退けて12度目の防衛に成功

セミファイナル。元バイトAKBのメンバーだった上谷沙弥選手はこの日、梅咲遙選手を退けて12度目の防衛に成功(C)STARDOM

 近年、総合格闘技やボクシングを中心に格闘技は盛り上がりを見せている。その中で、女子の試合だけで興行を行ない、成功を収めている女子プロレス団体が存在する。男子でもなかなかなし得ない大きな会場を満杯にするのは「スターダム」だ。

 2011年に産声をあげたスターダムは、アイドル顔負けのルックスを持ち、激しいファイトで支持を集めている。現在32人の選手が6つのユニット(派閥)に所属している。選手は年間120~140試合をこなし、その試合数は男子レスラーが「殺人的」と舌を巻くほどの数だ。

 2022年12月29日、年内最後のビッグマッチ「STARDOM DREAM QUEENDOM2022」が両国国技館で行なわれた。全10試合が組まれており、他団体からの参加選手を含めて45人が出場する大型興行だ。アリーナ席や2階の枡席は早くから完売し、公式発表によると観衆は3868人。

 午後4時20分、13人の選手が時間差で出場するバトルロイヤルを皮切りに興行が幕を開けた。大型スクリーンに映し出されたPVと大音響のBGM、派手な入場演出に圧倒される。

 この日は5つのタイトルマッチが組まれており、試合が進むにつれ、会場はシリアスさを増していく。肉体や骨がぶつかり合う音が静謐な会場に響き渡り、大技が繰り出されると、新型コロナの感染対策で黙して観戦していた観客も、思わず「うわっ」「おお」と感嘆の声を上げる。

 会場のボルテージが最高潮に達したところで、メインイベントの朱里対ジュリア戦が始まる。観客とリングが一体化し大会は幕を閉じた。舞台演出、選手間のドラマ、観客との一体感、良質なエンターテイメントの粋が集まった姿に、スターダムの人気の秘密が垣間見えた。

取材・文/青野有城 写真/(C)STARDOM、小倉雄一郎

※週刊ポスト2023年1月27日号

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン