メンバーの結束を示す「V」のタトゥー
「本番はだいじょうぶですよね?」
当初、安全地帯の紅白出場は、特別企画枠の「桑田佳祐 feat. 佐野元春,世良公則,Char,野口五郎」、「THE LAST ROCKSTARS」と合わせて12月19日に発表される予定だったが、こうしたトラブルもあり、数日遅れて12月23日に発表となったという。
「玉置さんは怒り心頭で、NHKサイドとの話し合いは紛糾。そのせいで発表が遅くなったようです。その間を取り持ったのが青田さんでした。彼女は玉置さんの怒りを収めつつ、粘り強く立ち回ったそうで、“気絶する寸前ですよ”と泣きそうな顔で話していたとか」(芸能関係者)
別の音楽関係者は、「玉置さんの“癖”を見越した苦肉の策だったのでは?」と分析する。
昨年の紅白はNHKホールで3年ぶりの有観客で、NHKとしては「原点回帰」の思いがあったという。これまで「生演奏・生歌・生放送」の“3生”にこだわってきた紅白は、特別企画も極力“生”を求めていたはずだ。
「桑田佳祐さんのバンドは事前に収録だと明かされていましたが、安全地帯は収録とも生演奏ともアナウンスされていませんでした。彼らの紅白内定をいち早く報じたスポーツ紙は“今回は生演奏が期待される”と書いていたから、ギリギリまで安全地帯の生演奏を検討していた可能性があります。少なくとも玉置さんの頭の中にはあったのではないでしょうか。
しかし、玉置さんは遅刻やドタキャンの常習犯。1996年にソロで紅白に初出場した際は、リハーサルに大幅に遅刻。本番当日もギリギリまで来るかどうかわからなかったとか。
苦い記憶があるNHKとしては、生演奏を念頭に置きつつも収録という保険を掛けていたのではないか。そして結果として、生演奏を断念した……ということなのではないでしょうか」(前出・別の音楽関係者)
こんな“事件”もあった。2010年の『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)で、玉置は楽曲提供をしたTOKIOとコラボする予定だった。ところが、リハーサルに現れず。当時を振り返った『TV LIFE』(2010年12月15日)の連載には、番組プロデューサーの貴重な証言が残されている。
《通しリハーサル直前に安全地帯のスタッフが「リハは不参加でお願いします」と謝りに来て、わたしが普通に「本番はだいじょぶですよね?」と訊いたらば、「頑張ります……」との返事。「だいじょぶです!」じゃないのに驚いたけど、でもまさか本当に来ないとは思わなかったから、リハ中もMC席で「五分五分かなぁ?」とか半分笑い話になってました》
結局、玉置が「来ない」と判明したのは生放送35分前。その際は当時TOKIOのボーカルだった長瀬智也(44才)が演奏中に「玉置さん! まだ間に合います!」と叫んで笑いを取るなど機転を利かせ、玉置不在のままステージを成功させた。