国内

疑われ始めたワクチンの効果 追加接種に積極的な国ほど感染者増、自然免疫力への悪影響も

呼吸困難、頭痛など後遺症の組み合わせは多岐にわたる(写真/PIXTA)

ワクチン接種に効果はあるのか(写真/PIXTA)

 当初、感染予防とされていた新型コロナのワクチンの効果は、いつの間にか重症化予防にすり替わっていた。そして、いまでは「接種すればするほど感染する」という「悲劇」が起きているという。ワクチンの現状に迫る──。(前後編の後編。前編から読む)

 国内の報道だけを見ていると気づかないが、世界各国のワクチンに対する評価は様変わりしている。その典型例が世界に先駆け接種を進め、ワクチンの先進国と称されたイスラエルだ。

「ワクチンを打っても感染抑制効果は不透明」

 昨年イスラエル政府はそう表明し、4回目以降の追加接種をほとんど行わなくなった。イスラエル保健省によると、昨年12月の段階で国民の約半数が3回目接種を終えたが、4回目は1割にとどまる。ワクチンに背を向けた国は多い。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが言う。

「イラクやヨルダン、リビアなど中東やアフリカ諸国で感染率が20%を下回る国はワクチンを購入していません。ウクライナとブルガリアなど東欧諸国も接種率が低い」

 やはり気になるのが、接種と感染の関係だ。名古屋大学名誉教授で医師の小島勢二さんがいう。

「一昨年5月に1日40万人を超える感染者が出たインドは昨年初めにオミクロン株のBA.1が流行しましたが、4回目接種を行わなかった。一昨年6月から8月にかけて1日の感染者数が最大6万人に達したインドネシアも同様に4回目接種を行わなかった。

 両国とも昨夏に登場したオミクロン変異株・BA.5の感染拡大が懸念されましたが、不思議なことに流行は起こりませんでした。そのほかの多くの国も昨年の初めからワクチンの追加接種は頭打ちですが、感染者は増えていません」(小島さん)

 これと対照的なのが追加接種を重ねた国だ。

「一昨年まで感染者がほとんど出ず、新型コロナ対策の優等生とされた台湾は追加接種を重ねるごとに感染者が急増し、一時的に人口比で、世界で最も感染者が多い国になりました。日本と同様に追加接種に積極的な韓国も感染者が増えたのです」(小島さん)

 新潟大学名誉教授の岡田正彦さんが指摘する。

「一昨年9月にアメリカとカナダの研究者が発表した論文によると、世界68か国でワクチン接種率が高い国ほど、人口100万人あたりの1週間の新規感染者数が多かった。いまから1年半前にワクチンと感染の関係が指摘されており、その後、同様の研究が多数発表されました」

 ワクチンの基本的な効果に疑問を投げかける研究も次々と発表されている。

「昨年7月に発表されたアメリカの研究では、従来のワクチンがオミクロン株に有効かどうかを調べました。その結果、ファイザーとモデルナのmRNAワクチンがオミクロン株を抑える効果は、コロナ発生当初の武漢株の20分の1以下しかないことがわかりました」(岡田さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン