感染者数とワクチン接種率

感染者数とワクチン接種率の推移

 なぜ、患者が懸命に苦境を訴えても対応してもらえないのか。前出の関東の総合病院の医師が指摘する。

「私たちのように個人で“何かおかしい”と思っている医師は少しずつ増えているものの、医療界全体はいまだに接種に疑問を持っていません。その大きな理由は、学会レベルでは接種後に腎炎や肝炎、膠原病などが発生したとの報告があっても大規模な統計はなく、現場感覚だけで異変に気づくのは難しいこと。また、もともと見切り発車でワクチンを始め、“打たない人は公衆衛生の敵”と接種を推奨してきたので、いまさら危険だと言えない雰囲気もあります。

 そもそもワクチンに関心のある医師が少ないことも問題で、うちの病院のカルテに患者の接種歴が記載されているケースは皆無です。これではワクチンと症状の関連に思いが至りません」

 本来、新しい病気や症状は大学病院などが主体となって臨床研究を進めるのが定石だが、現場の医師たちから見た現実は厳しい。関東の大学病院に勤務する内科医が内情を語る。

「大規模な臨床試験は患者を集めて説明し、治療や投薬をしてその結果をまとめるまでの工程でかなりの費用と労力がかかるため、製薬会社の資金提供によって成り立っているものがほとんどです。

 医師個人で行おうとしても通常業務に加えて行うのは相当厳しい。しかし製薬会社は、薬害や賠償金につながりかねない後遺症の研究には二の足を踏みます。そうした事情により、大学病院ではワクチン後遺症患者への治療が難しいのが現状です」

※女性セブン2023年2月16日号

ワクチン後遺症に関するアンケート

ワクチン後遺症に関するアンケート

関連キーワード

関連記事

トピックス

財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト