ポメラニアンのぱるる(左)は、生まれつき足が悪く、皮膚炎もひどかったため、生後4か月で保護犬に。保護猫のこりん坊と仲良し

ポメラニアンのぱるる(左)は、生まれつき足が悪く、皮膚炎もひどかったため、生後4か月で保護犬に。保護猫のこりん坊と仲良し

 保護活動をしていても、必ずしも命を救えるわけではない。そのつらさと向き合い、それでも続けることは並大抵のことではない。それでも……。

「自分で許される限りの子を家族に迎えるのが私の使命だと思っています」

 と、とよたは覚悟を見せる。現在は東京・有明の「スモールワールズ東京」で、保護団体と連携して譲渡会のプロデュースもしている。

境遇や傷、習性を知るのは第一歩

 保護犬・保護猫と一緒に暮らしてみて思うのは、ペットショップから迎え、幼い頃に家族になった子たちとは、抱えているものが違うということ。保護する側はそれを理解してほしいという。

「ぱるるのように幼齢で保護犬になる例もあり、すべての保護犬・保護猫が傷を持つとは限りませんが、飼い主が亡くなった子は寂しさを抱えていますし、野良で生まれた子は人工的なものや場所が苦手です。虐待されてきた子は棒を持つだけで怯えますし、それぞれに抱えているものがあります。だからこそ、その子の過去、習性、既往症を把握し、事情をふまえた接し方をすることが大切です」

 昨今、保護犬・保護猫への注目度が高まっており、それ自体はいいことなのだが、中には、ペットショップよりも安くペットが手に入れられると、安易に考える人もいるという。そういう人や、動物を所有物のように扱う人、自分のいうことを聞かせようとする人は、里親に不向きだという。心も体も傷ついた小さな命に家族として寄り添う、そんな気持ちが必要なのだ。

【プロフィール】
とよた真帆/女優。1967年、東京都生まれ。保護犬・保護猫の譲渡会を起点としたペット関連事業を行う一般社団法人「Do One Good」の協力で譲渡会をプロデュースしている。2021年に川島なお美動物愛護賞受賞。

取材・文・撮影/北武司

※女性セブン2023年2月23日号

共に暮らす保護猫は3匹。左がいちばん古株の茶々丸。右がサバトラ模様のダダ

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