スポーツ紙デスクはこう予想する。
「巨人・大勢(23)、広島・栗林良吏(26)、楽天・松井裕樹(27)が“抑え3本柱”ですが、いずれもまだ若く経験値が少ない。1次ラウンドの彼らの調子次第では、2009年大会のようにダルビッシュを先発ではなく抑えに回す可能性もある。栗山監督はダルビッシュの起用について『特別扱いはしない』と言っていますしね」
大谷で“ドラマ”を起こす
今大会の開催にあたり、球界関係者からは「優勝できるかどうかはエンゼルス・大谷翔平(28)の起用法次第」という意見が強い。
2013年のWBCで戦略コーチを務めた橋上秀樹氏は大谷の起用について、こう予想する。
「現時点でエンゼルスとのすり合わせがどうなっているか不明ですが、指名打者(DH)で使う分には支障がないはずです。『2番DH』で起用して打線に勢いをつけるのではないか」
一方、エンゼルスのミナシアンGMは大谷の起用について「制限はない」と語っている。
もし言葉通りなら、今大会は先発投手がDHを兼務することを可能とし、投手として降板後もDHとして出場できる「大谷ルール」が初めて採用されるため、二刀流の実現に期待がかかる。
「『野球にはドラマと感動が必要』が口癖の栗山監督だけに、起用に制限がないなら、打つほうはDHで常時出場させ、強敵が集う決勝ラウンドで二刀流を解禁することも考えられます。
また今大会は1試合30球未満なら2日連続の登板が認められている。そのことを考慮すると、3月20日に準決勝、21日に決勝となった場合、準決勝で球数調整をして、勝負となる決勝ではダルビッシュ、大谷、山本といったリレーにして、日本が誇るエースを“中継ぎ”として起用する可能性も考えられます」(前出・スポーツ紙デスク)
果たしてどんな栗山マジックが飛び出すのか。開幕が待ち遠しい。
※週刊ポスト2023年3月3日号