国内

終わらない「動画炎上」 なぜいつまでもテレビがニュースとして取り上げるのか

炎上する迷惑動画は回転寿司店で撮影されたものが目立つ(イメージ、AFP=時事)

炎上する迷惑動画は回転寿司店で撮影されたものが目立つ(イメージ、AFP=時事)

 ネット、とくにSNSでの流行とは本来、長続きしないものだ。ところが、飲食店での迷惑行為を撮影した動画が次々と拡散されてしまうという”流行”は予想外に長引いている。そして、新聞やテレビなど社会的に影響があるニュースを日々、送り続けているメディアも、従来であれば動画炎上を取り上げるのはせいぜい、最初の一、二例だった。ところが2023年のいま、迷惑動画による炎上についてのニュースが次から次へと続いている。ライターの宮添優氏が、なぜ今回は迷惑動画についてニュースが取り上げ続けているのかについてレポートする。

 * * *
 SNS投稿から始まった「動画炎上」騒動が、おさまりそうにない。

 レーンの寿司に手を触れたり、醤油差しをなめるといった回転すし店での不適切行為は、SNSでの炎上直後にワイドショーでも毎日報じられ、海外メディアでは「寿司テロ」などと紹介されたほど。とはいえ今般の騒動、ある程度ネット歴の長いユーザーであれば、最近の新しい出来事というよりも以前の「バカッター」を思い出すに違いない。大手社会部記者が説明する。

「2013年のネット流行語大賞4位に選ばれた”バカッター”は、コンビニの冷凍庫内に入るなど店舗内での不適切行為や、暴力行為などの一部始終を収めた動画をTwitterなどで公開し炎上する一連の行為の事を指します。今回、”バカッター”に似た形で毎日のように報じられていますが、十年前と違って、まだ続くのかよ……なんて、記者も辟易しているというのが正直なところです」(大手紙社会部記者)

 確かに「第2のバカッターブーム」と思わずにはいられないほど、次から次へと非常識な行動をおさめた動画が毎日のように文字通り「炎上」している。既視感たっぷりで目新しいところはないように見えるが、かつてのそれとは明らかに違う点がいくつかある。記者が「辟易」してしまうのもこの点だ。

「トラブルに巻き込まれた会社が、公式に謝罪するようになったんです。以前は、公式にトラブルを認めたり謝罪など何らかの対応をする会社は少なかった。所詮はネットの出来事ということで、迷惑行為をしたほうが悪いことは明らかだし、それは特殊例だと世間も承知していましたから。ただ今回は、トラブルに巻き込まれた運営企業の株価が下がるなど、企業側もしっかりと対応せざるを得なくなってきたし、厳しいコメントを出さなければさらに炎上してしまう可能性もある。昔なら単なるお騒がせで数例を報じたらニュース性が落ちて取り上げなくなっていったのが、経済事情に影響を与える事件になるから、我々もその都度、報じる必要性が出てくるのです」(大手紙社会部記者)

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン