Instagramのストーリーズなど限定公開の動画が第三者によって拡散され炎上している例が少なくない(dpa/時事通信フォト)

Instagramのストーリーズなど限定公開の動画が第三者によって拡散され炎上している例が少なくない(イメージ、dpa/時事通信フォト)

過去動画の無断転載で炎上に便乗したいインフルエンサー

 筆者も以前、炎上動画が撮影されたという店舗や運営する会社に取材をしたことがあったが、企業がコトをおおっぴらに認めたり、記者会見にまで至る例は少なかった。ところが今では、ネットやSNSの影響力が増大し企業側も対応せざるを得なくなり、これを大手メディアがニュースとして報じる。ネット炎上だけだと忘れられるのも早かったが、メディアが報じることで話題がネットに「逆輸入」され再び盛り上がり、炎上状態に「燃料」が投下されて炎は更に大きくなってしまう。

 そして、いま起きている動画炎上が、過去のバカッターなどと一線を画している点がある。この炎が「カネ」にも変わることを知る人たちが増え、動画炎上をより大きなものにしていることだ。

「寿司テロ」動画などを含め、この数ヶ月ほど炎上している動画のほとんどは、撮影日時が直近ではないものばかり。特に、視聴回数が多くSNSで目立っている映像には撮影者が不明なものが目立つが、これら「無断転載」映像を拡散させているアカウントは、SNS上で一定数以上のフォロワーを持つ「インフルエンサー」である例が多い。前出の記者が続ける。

「SNSで絶大な人気を誇るインフルエンサー達が、過去の炎上動画をバンバン発掘してきては、ネットにアップしPV獲得にしのぎを削っています。有象無象のまとめサイト、巨大掲示板のアカウントまでもがその動きに追従して、炎上拡大が止まらない。ある炎上動画を巡っては、過去にトラブルに巻き込まれた企業がすでに謝罪をしていたにも関わらず、再発掘されて炎上していたほど。企業の広報担当も頭を抱えていました」(大手紙社会部記者)

 SNSで流れてくる映像をただ受け取るだけでは、それが「いつ」「どこで」起きたものなのか瞬時には分からない。だが、スマホでSNSを見たとき、人は即座に浮かんだ感情のままに反応してしまいがちだ。過去の炎上動画を改めて無断転載しているアカウントは、反射的にスマホをタップしてしまうことを悪用して、自分のアカウントの注目度を上げることに利用しているものとみられる。SNSで収益を得ようと活動しても、ネットで注目を集めるのは難しい。特別な技術を持っていたり、映像制作に秀でていればともかく、そういったものを持たない人の方が多い。その場合、炎上は手っ取り早く耳目を集める手段になる。

 また「バカッター」の際に炎上した動画は、その全てが個人の公開アカウントから発信されていた動画ばかりだったが、今回、出回っている動画の中には、知人にしか公開していない映像、アップしてから1日程度で自動的に消える設定にされていた動画も複数確認できた。要は、鍵付きアカウント上にこっそりアップした動画が、身近な人たちによって保存、拡散されているということに他ならず、目立つなら、ネタになるなら身近な人のことでも「炎上させてしまおう」という魂胆もあるのかもしれない。

 炎上とはすなわち野次馬が集まっている状態、人が集っている状況だ。残念ながら、閲覧者や登録者数さえ集めれば金になるというのが、現在のネット広告界隈の仕組みとして存在している。SNSに炎上動画を載せて、そこから自身が運営するまとめサイトに誘導し、ユーザーに広告を視聴させて金を稼ぐ、という昔ながらのパターンもまだまだ確認できる。また、Twitterなどで活動するインフルエンサーは、自身のフォロワー数が増えれば増えるほど、様々な「広告案件」が舞い込んでくるため、炎上ネタを日々発信することによってフォロワー数獲得を目論む。

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