経験豊富な山田哲人の不調は痛い
そうしたなかで侍ジャパンに合流した大谷翔平(エンゼルス)、ヌートバー(カージナルス)、吉田正尚(レッドソックス)のメジャー組を1~3番にはめ込む可能性が高いと見られている。注目されるのは4番だ。村上宗隆が壮行試合5戦すべてに4番打者として出場したが、16打数2安打と本調子にまだまだ及ばない。対照的に、輝きを放っているのが岡本和真(巨人)だ。3月4日の中日戦で同点の7回に柳裕也のカットボールを振り抜き、左翼席へ決勝ソロを放つなど、16打数5安打で打率.312、6打点とバットが振れている。
「岡本は一塁、三塁のほか左翼にも挑戦するなどチームに役立とうという献身的な姿勢が見える。昨年は巨人で4番を剥奪されましたが、5年連続30本塁打をマークするなど長距離砲としての資質は疑う余地がない。岡本の強みは守備が巧いことです。昨年も三塁で2年連続ゴールデングラブ賞を獲得している。1点を争う試合では守備力が鍵を握ります。村上は侍ジャパンでも三塁しか守っていませんが、守備陣全体の安定感を考えれば岡本が三塁、村上を一塁に回す布陣を検討してもいいと思います。4番も村上に固執する必要はない。4番・岡本、5番・村上の選択肢も出てくる」(民放テレビの関係者)
昨年の成績が先入観になりがちだが、現時点の各選手のコンディションを見極めることが重要であることは言うまでもない。村上の状態がWBC本戦でも上がらないようであれば、トーナメント制の準々決勝以降は岡本を4番に据える可能性が考えられる。スポーツ紙デスクはこう指摘する。
「近藤健介(ソフトバンク)が好調なので1番に据え、大谷を3番に据える打順も面白い。4番・吉田、5番・岡本、6番・牧の並びで、村上を7番に置いたら相手バッテリーは気が抜けないでしょう。好調な選手を使うというシンプルな采配も有力な選択肢だと思います」
初戦は3月9日の中国戦。残された時間が少ないなか、栗山英樹監督はどのような決断を下すか。
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