国内

元2世信者・小川さゆりさんが明かす“初めて夫を両親に会わせた時”の異常事態 「親は“聖酒”を黙って飲ませようとした」

小川さんが小学生の時の家族写真

小川さんが小学生の時の家族写真

 昨年より注目を集め続けている「宗教2世」の問題。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)では自由な恋愛を禁じられ、信者間での「祝福結婚」が推奨されるなど、婚姻の相手についても大きな制約があった。合同結婚式で結婚した両親のもとに生まれた小川さゆりさん(27)は脱会後、旧統一教会信者ではない一般男性と結婚したが、結婚までの道のりは容易なものではなかった。現在の夫が初めて小川さんの両親と対面したときの様子を、3月7日に刊行された手記『小川さゆり、宗教2世』で明かした。

 熱心な信者だった小川さんは脱会後、旧統一教会信者ではない現在の夫と出会い、実家を出て両親のもとから離れていた。両親と同居していた祖母が体調を崩したタイミングで、小川さんは初めてパートナーとともに実家の両親のもとを訪れた。

 * * *
■「私たちは無宗教です」ときっぱり伝えた夫

 私は夫を紹介する意図はありませんでしたが、両親は結婚相手を連れてきたと受け取ったようでした。両親は初めて会った彼に対して、「あなたは人生の目的や結婚観について考えたことはあるか」と問いかけました。

 その言い方が何だか教会での説教のように聞こえて、宗教を信じていない彼に対する接し方として違和感がありました。統一教会ではサタン世界の人と付き合うことは許されません。「神の子」として生まれた祝福2世であれば尚更なのでしょう。だけど、私は脱会の意思は両親に伝えています。

「私たち統一教会の人間は、一般的な結婚とは全く違う。本当の幸せを求めた結婚をしていて、たったひとりの人と愛し合って結婚する。それはしかも、神様に認められた本当の結婚なんだ」

 だから私たちにも祝福結婚を受けてほしい、と父は言いました。両親にとって私たちが祝福を受けて結婚することは、何よりも重要なことだったのでしょう。教会では「連帯責任論」が説かれていて、家族のひとりが堕落してしまうと、その本人だけでなく家族の皆が天国に行けなくなってしまうと教えられてきました。

 その頃の私たちはまだ付き合っているだけの段階でしたが、祝福結婚は統一教会の信者でなければ受けられません。祝福を受けるということは、夫も教会に入会させられることを意味しました。

 ただ、父にそう言われた夫は、こうきっぱりと伝えました。

「そういう考えがあってもいいと思いますが、私たちは無宗教だし、教会での結婚式を受けようとは思っていません」

■「血統が転換される聖酒」を冷蔵庫から取り出して……

 翌日、昼食を食べた後にまた4人で話す時間がありました。夫については「こんなにまじめな好青年は少ないと思う」と気に入ってくれたようでした。一方で、両親はあらためて「大事な娘だから、結婚するなら祝福結婚をしてほしい」と繰り返しました。

 このとき信じられないような出来事がありました。

「出会えた証に乾杯しよう」

 父が言って目配せをすると、母が冷蔵庫に何かを取りに行ったのです。そうして出されたのが統一教会の「聖酒」でした。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
インフルエンサーの景井ひなが愛犬を巡り裁判トラブルを抱えていた(Instagramより)
《「愛犬・もち太くん」はどっちの子?》フォロワー1000万人TikToker 景井ひなが”元同居人“と“裁判トラブル”、法廷では「毎日モラハラを受けた」という主張も
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン
千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン