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草野仁、『世界ふしぎ発見!』司会降板でも「私は終わりません」 番組に対する強い思い入れ

3月上旬、夫人と外出する草野

3月上旬、夫人と外出する草野

「マンネリとの戦い」という長寿番組の常識に反して、長年同じスタイルを貫いてきたのが『世界ふしぎ発見!』(TBS系)だった。だが、放送開始から40年を控え、大きな転換期を迎えようとしている。

 番組スタート時から司会を務めてきた草野仁(79才)が、3月11日の放送を最後に司会を降板。後任は、同局の『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』のMCを担当する石井亮次アナ(45才)が務め、草野は「クイズマスター」として出演するという。

 ソフトな語り口で温厚なイメージの草野は、満州・新京生まれ。父は大学教授、母は中学教師、4人きょうだいの末っ子として生まれた。子供の頃からスポーツ万能で、中高は陸上部に所属し短距離走に打ち込んだ。

 兄2人に続くように、自身も1浪の末、東京大学に入学。在学中に相撲の国体予選で優勝を飾ったこともある。勉学にも熱心に取り組み、東大を首席で卒業し、NHKにアナウンサーとして就職した。

 入局8年目に夏の甲子園決勝のテレビ中継を担当。1984年のロス五輪の総合司会を務めるなど「エース実況アナ」として名場面を伝えてきたが、局の方針とのズレから1985年にNHKを退局した。

 フリー転身後、『ふしぎ発見!』と並んで草野の代表番組になったのが『ザ・ワイド』(日本テレビ系)だった。キャスターの枠を超え、番組制作の中心として細かく取材の指示も出した。

「『ザ・ワイド』は草野さんの独自の視点で事件モノに切り込んでいました。地下鉄サリン事件や和歌山毒物カレー事件などの、深い取材や報じ方は草野さんがいなければできなかった部分が大きいです」(当時の番組スタッフ)

 番組は今年1月に大幅リニューアルを果たした。出演者による筆記解答は廃止になり、全員でディスカッションして1つの解答を導き出す方式に変わった。番組マスコットの「ヒトシ君人形」によるポイント表示や、誤答の際にヒトシ君人形が“ボッシュート”される演出もなくなった。草野のポジションも、解答者に並んで座ったままで進行するスタイルだ。

「草野さんは人一倍健康に気を使い、高齢といわれる年になっても自宅ではエアロバイク、腹筋運動も欠かさない、まさに『スーパーヒトシ君』でした。NHK時代に結婚した奥さまは料理教室の講師をしていたこともあり、食事の面からのサポートもあった。しかし先日79才を迎え、老いを感じることも増えていたようです。

 最近は、時折足を引きずっていたこともあったそうです。それでも、制作サイドからの“司会ボッシュート”には難色を示したそうです。『ふしぎ発見!』は日本のクイズ番組史上、最長の司会記録を昨年更新し、いまも出演するごとに更新し続けているわけですから、草野さんの思い入れは相当のものです」(番組関係者)

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