2020年に調教師試験に合格した名手・蛯名正義氏
「日本でGIを勝ったから行く」というだけではなく、「海外の方が合うかもしれない」などいろいろ柔軟に考えられたらいいですね。もちろん、その馬のレーティングや、選ばれなければならないという問題もあります。
特に春はドバイだけでなく、香港やオーストラリアもあります。なにより、日本馬は僕のジョッキー時代よりはるかにレベルアップしています。サウジカップを勝ったパンサラッサも日本のGIを勝ったことはないんですよね。勝つことを考えると、海外の方が相手関係も有利とか、選択肢が多岐にわたっているのかもしれない。そういう時代に来ているのだと思います。
ジョッキー時代に行ったことがないドバイやサウジにも、いつかチャンスがあれば、挑戦してみたいと思っています。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2023年3月24日号
