2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした蛯名正義氏
1993年のスプリンターズステークスで、僕はマイルチャンピオンシップで3着だったドージマムテキに騎乗、最後の直線で先頭に立って勝てるぞと思った瞬間、外から来たバクシンオーにあっさりかわされた記憶があります。速かったなあ。
種牡馬になってからもグランプリボスやビッグアーサーなど数多くのスピード馬を輩出。そればかりか中山大障害と中山グランドジャンプという4000m以上の障害重賞を勝ったブランディスという馬も出しているし、母の父としてもキタサンブラックなどを送り出しています。スピードを受け継ぐのはスプリンタータイプだけではないというのがわかります。
そういう意味では、このレースで結果を出した種牡馬が、どういう子孫を残していくかも注目してほしいところです。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2023年3月31日号
