ライフ

「ミスター血圧」渡辺尚彦医師が実践 食事、階段、風呂…日常生活で数値を下げる行動習慣

診察時も血圧計を着用している渡辺尚彦医師

診察時も血圧計を着用している渡辺尚彦医師

 毎日のように薬を飲んで、数値を測る――。その結果に一喜一憂させられる「血圧」は多くの人にとっての一大関心事だ。

階段は「下り」だけ歩く

「血圧は食事や運動などの日常動作(身体的活動)や環境の変化、ストレスの状況などにより絶えず変動します。血圧の乱高下を過度に恐れる必要はありませんが、高血圧状態が持続しないよう、降圧のコツを知り、日常生活に意識的に取り入れることが大切です」

 そう話すのは、高血圧治療の名医で“ミスター血圧”と呼ばれる渡辺尚彦医師(日本歯科大学内科客員教授)。携帯型の血圧計を(入浴時以外)常時装着し、24時間の血圧変動を記録する生活を36年間続けている。高血圧にならない生活を実践するが、それでも「忙しいとやや高めな日もある」そうだ。

 渡辺医師は、「まず自身の血圧を正しく把握しておく」ことが必要と言う。

「理想は、朝の起床後1時間以内と就寝前に2回ずつ血圧を測り、その平均値を記録すること。日頃からの継続的な血圧測定は、発見しづらく心臓疾患や脳疾患リスクが高い“仮面高血圧(注:早朝や夜間など特定の時間帯、あるいは職場など特定の場所で血圧が上昇する現象)”対策にも有効です」(以下、「」内コメントは渡辺医師)

 そのうえで、日常生活のちょっとした工夫により、高血圧リスクを下げることが可能だという。

 数万例の診療実績と医学的知見に基づき、渡辺医師自身も実践してきた「降圧生活」の方法とはどんなものなのか。

「例えば起床時。体を急に起こすと交感神経が一気に緊張して血圧上昇の原因になります。目が覚めたら、横になったまま伸びをしたりして、ゆっくりと起き上がるようにしましょう。また、睡眠中の呼気や発汗で体内の水分が失われ、(血管内は)濃度が高いドロドロ状態。起きたらコップ1~2杯の常温水か白湯を何回かに分けて飲み、水分補給をして対策します」

 その際、冷水を一気飲みすると心臓を冷やし、負担をかける恐れがあるので注意したい。

 朝晩の冷え込みが残る4月から5月は、起床後の寒暖差にも要注意だ。

「寒いと血管が収縮して血圧上昇を起こします。寒いトイレに移動して排便でいきむと血圧が急上昇するので、布団から出たら必ず上着を羽織って暖かくし、血圧の乱高下を抑えましょう」

関連記事

トピックス

東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
津波警報が発令され、ハワイでは大渋滞が発生(AFP=時事)
ハワイに“破壊的な津波のおそれ” スーパーからは水も食料品も消え…「クラクションが鳴り止まない。カオスです」旅行者が明かす現地の混乱ぶり《カムチャツカ半島地震の影響》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
牛田茉友氏はNHKの元アナウンサーだったこともあり、街頭演説を追っかける熱烈なファンもいた(写真撮影:小川裕夫)
参院選に見るタレント候補の選挙戦の変化 ラサール石井氏は亀有駅近くで街頭演説を行うも『こち亀』の話題を封印したワケ
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン