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3年ぶり大型特番のナスD「再評価」へ なぜ“タレントではない”局のスタッフが支持を集めるのか?

ナスDが「再評価」へ(YouTubeチャンネルより)

ナスDが「再評価」へ(YouTubeチャンネルより)

 コロナ禍が終息する気配を見せるなか、テレビ各局で海外ロケを行う番組が復活。9日の放送で注目を集めているのが“ナスD”ことテレビ朝日の友寄隆英ディレクターが出演する大型特番。今再び“ナスD”に期待する声が上がる理由について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 9日夜21時から2時間半特番『地球最後の秘境マダガスカル! 神秘の珍獣奇獣求め島一周6千キロの旅』(テレビ朝日系)が放送されます。

 この特番は、生息する80%が固有種であるなど「地球最後の秘境」と言われるマダガスカルをめぐる紀行ドキュメンタリーですが、最大の注目はメイン出演者がテレビ朝日の友寄隆英ディレクターであること。友寄ディレクターと言えば、今からさかのぼること6年前の2017年春、『陸海空 こんな時間に地球征服するなんて』(テレビ朝日系)での体当たり取材で“ナスD”として人気を博したことを覚えている人が多いのではないでしょうか。

 ナスDは3年後の2020年3月8日にも、今回と同等レベルの大型特番『天空のヒマラヤ部族 決死の密着取材150日間』(テレビ朝日系)を放送。その壮大かつ神秘的な映像とナスDの奮闘が称賛の声を集めました。

 さらに同年4月には異例のレギュラー冠番組『ナスD大冒険TV』(テレビ朝日系)がスタートしましたが、当時はコロナ禍に突入して国内旅行すら行けない苦しい時期。当然ながらロケができずナスDと番組も苦況に追い込まれましたが、前述したヒマラヤ部族への密着映像を未公開シーン入りのディレクターズカット版とするなどの対応で乗り切りました。

 その後も同番組では「無人島0円生活」などを放送してきましたが、ヒマラヤから3年を経てコロナ禍の終息を感じさせる今、ひさびさに大型の紀行特番が放送されます。あらためて、なぜテレビ朝日のスタッフに過ぎないはずのナスDが出演者としても支持を集めているのでしょうか。また、今回の特番はどんなところが期待できそうなのでしょうか。

破天荒な言動の裏に謙虚さと努力

 ナスDの人気が沸騰したのは、2017年5月2日に放送された『陸海空 こんな時間に地球征服するなんて』。南米・ペルーのシピポ族に潜入した際、「ウィト」という刺青の塗料を「美容効果がある」と教えられて顔や体に塗ったところ、ゾンビのような肌の色になってしまい、「ナスD」と呼ばれる由来となりました。

 その後も、異様な姿を見た現地部族の人々から避けられ、「パスポートと顔が違う」と足止めされそうになるなどのシーンで笑いを取り、ロケのメインだったはずのU字工事を差し置いて人気者に。それ以外のシーンでも、獲れたばかりの川魚を生のまま食べる。濁った川の水を迷わず飲む。部族の人々が出した料理を完食する。「それは食べない」というものも口に入れる。50度の酒を一気飲みするなどの破天荒な姿で視聴者の心をつかみました。

 しかし、そんな破天荒な姿は、数ある魅力の中の1つに過ぎません。もともとナスDは業界内で、『いきなり!黄金伝説』(テレビ朝日系)の無人島生活でロケハンを兼ねて自ら実践する個性派ディレクターとして知られていました。だからこそ銛での漁や獲った魚の調理などサバイバルの技術はズバ抜けたものがあり、さらに絵画、弾き語りなどもこなして視聴者を驚かせています。

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