ライフ

美容整形外科の最新動向、脂肪吸引が豊胸術を抜き、世界で最も人気のある手術法に

最新の動向は(AC)

最新の動向は(AC)

※本記事は、ヒフコNEWSからの転載記事です。

 2023年1月に発表された国際美容外科学会(ISAPS)の最新統計によると、美容整形手術は変化しており、脂肪吸引は世界で最も人気のある手術になった。一方で、外科的な手術以外の施術が大幅に増加していることも報告された。

非外科的治療は過去4年でほぼ1.5倍に

 国際美容外科学会(ISAPS)は、美容外科を専門とする医療関係者の団体で、世界117カ国に5600人以上の会員を擁する。毎年、美容整形手術の最新動向を知るための「美容/美容施術に関するグローバル調査」の結果を発表している。1003人の形成外科医に、過去1年間に行った外科的および非外科的施術のアンケートを行った。

 今回の調査からは、世界的に美容整形手術の件数が大幅に増加したことが明らかになった。2021年に実施された外科的な手術と非外科的治療の件数は前年よりも19.3%増え、全世界で外科的な手術が1280万件以上、非外科的治療が1750万件行われた。前年と比べると外科的な手術が18.5%、非外科的治療が19.9%それぞれ増加した。特に過去4年間では、非外科的治療が増え、54.4%の大幅増となった。

 こうした増加は、2020年は1.8%の減少をもたらしたコロナの影響からの回復と見られる。

 世界で最も外科的な手術と非外科的な治療の総件数が多かったのは米国(全体の24.1%)で、次いでブラジル(8.9%)、日本(5.7%)となっている。

脂肪吸引が豊胸手術を抜いて最も一般的手術に

 世界で最も多く行われた外科的な手術は脂肪吸引で、豊胸手術を上回り、前年比24.8%増の190万件となった。これは女性に最も人気の外科的な手術。また、顔や頭の施術が14.8%増加した。まぶたの施術の人気が高く、これは女性にも人気があるが、男性にとっても最も人気のある施術だった。年齢別で見ると、豊胸手術と鼻形成術はほとんどが19~34歳の年齢層の人たちに多く行われ、ボツリヌス療法は35~50歳に人気となっているヒアルロン酸注入が前年比30.3%増加で目立ったが、これはおしりなど、顔以外の場所での使用が増えていると見られるという。

 美容医療の人気は国によっても異なると見られるが、非外科的治療の人気が高まっているのは日本でも共通しているとみられる。ヒフコNEWSでは韓国のトレンドが世界の美容に影響していることを伝えているが、今後も変化や進化を続けていくのだろう。

参考文献
The Latest Global Survey from ISAPS Reports a Significant Rise in Aesthetic Surgery Worldwide
https://www.isaps.org/discover/about-isaps/global-statistics/reports-and-press-releases/global-survey-2021-full-report-and-press-releases/
コロナ・パンデミックが世界の美容を変えた、その背景に韓国美容のトレンド
https://biyouhifuko.com/news/world/147/

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
【追悼】釜本邦茂さんが語っていた“母への感謝” 「陸上の五輪候補選手だった母がサッカーを続けさせてくれた」
週刊ポスト
有田哲平がMCを務める『世界で一番怖い答え』(番組公式HPより)
《昭和には“夏の風物詩”》令和の今、テレビで“怖い話”が再燃する背景 ネットの怪談ブームが追い風か 
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト