松坂大輔の「無期限の野球活動禁止」はすぐに解除
グラウンド内外問わず、球界のスター選手が問題を起こした時の“処分”を見ていこう。記憶に新しいのは2人の現役大物選手だろう。2021年8月11日、日本ハムの中田翔が同僚への暴力行為を理由に無期限謹慎となったが、同20日に巨人にトレードされると処分が解除になって、翌日から試合に出場し始めた。『無期限謹慎』がわずか9日で解除されている。昨年、巨人・坂本勇人の女性トラブルが発覚したが、出場停止などの謹慎処分は下されなかった。
西武は、今までスターにどんな対応を取ってきたのか。
2000年には、甲子園を沸かせ、高卒1年目から2年連続で最多勝を獲得した西武の松坂大輔(当時20)が10月13日に道路交通法違反容疑、当時の黒岩彰広報課長が犯人隠避容疑で書類送検された。シーズン中の9月12日深夜、松坂は免停中にもかかわらず、球団所有の乗用車を運転し、交際中の女性の自宅へ赴いた。路上停車したため、駐車違反でレッカー移動され、黒岩広報課長が大塚署に身代わり出頭していた。
9月下旬、写真週刊誌『FRIDAY』が当日の様子を写真で報じながら2人の交際を伝えたため、大塚署が再調査を始め、シーズン最終戦の日に容疑が発覚。松坂には球団から無期限の野球活動禁止、自宅謹慎などの処分が下された。
「当初、西武は『年内の野球活動を一切停止する』と発表しました。しかし、事件の発覚から1か月も経たない11月6日には解除されてしまい、ボールを使った練習を再開できるようになった。これは、東尾修監督の働きかけや日本プロ野球選手会が西武に早期処分解除の嘆願書を出したことが大きい。謹慎期間が長引けば体が鈍って、来季の成績が落ちてしまうから、早めに練習をさせたい、『球界の宝』を大事にしたい。そんな考えだったのでしょう。しかし、過ちを犯しても軽い処分で終われば、慢心を生みますよ。松坂大輔は自分を律して見事に更生しましたが、皆がそうできるかどうかは別問題です」