地元では最大級の病院
金沢医大病院は昭和49年の開院で、病床817床と職員約1900人を擁し、北陸地方では最初に特定機能病院の指定を受けた、地元では最大級の病院だ。
最先端の遺伝子医療で実績をあげており、がん医療の分野でも注目されてきた。なぜこのような騒動が起きてしまったのか。
今回の弘利さんの高額寄付について医療経済ジャーナリストの室井一辰氏は、「金沢医科大学の経営規模から考えても、個人の寄付として3億円の額は通常では考えにくい」と指摘する。
「争点はやはり弘利さんに判断能力があったかどうかですが、大学側はそれを確かめる機会があったはずです。今回の寄付は大学の創立50周年記念募金に寄付する形で行なわれている。寄付はあくまで個人の意思に基づくものですが、大学の理事会も個人の寄付額として妥当かを話し合う場はあったはず」
高齢の親族を持つ人にとっては他人事ではない訴訟。裁判の行方を注視したい。
※週刊ポスト2023年5月26日号