──とはいえ当時、その栄誉に浴したのはまだまだごく一部の人で、
「だからこそ女性週刊誌なの。いずれ実現するであろう夢を一足先に私たちに運んでくれるのがセブンなの。
おしゃれのこと、恋のこと、旅してみたい異国のこと、使ってみたい新しい電化製品のこと—ページをめくるごとに現れるいろんな情報に思いを馳せながら読み進めるのが楽しいの。雑誌という名の通り、雑多な情報が有象無象詰まっているのがうれしい。いまは指先を動かせばスマホの画面に情報が出てくるけど……雑誌を読む感覚とどこか違うのよね」
──情報の多さだけでいうとスマホに軍配が上がりそうですが、オバ記者がそれでも雑誌を推す理由は何でしょう?
「そうねぇ……スマホはとにかく便利で情報が尽きない感じがするけど、どこまで信用していいのかわからない。
話が飛んじゃうかもしれないけど、“1日100万円のバイト”なんて虫のいい話をスマホで見つけた若者が安易に乗っかって、結果、人生を棒に振ってしまうことが増えてるらしいけど、そんな無責任で眉唾な記事や広告が雑誌に載ることは絶対にないでしょ。私がセブンで記事を書いているから言うわけじゃないけど、文責を負って世に出されたものとそうじゃないものの差は確実にあると思います」
【プロフィール】
“オバ記者”こと野原広子/昭和32年、茨城県生まれ。66才。『女性セブン』記者として40年超、体当たり取材を敢行し、健筆を振るっている。
※女性セブン2023年6月1日号