国内

山口組機関紙にみる恒例行事「餅つき」「誕生会」 写真なしで具体的な報告がなくなった理由

「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員(時事通信フォト)

「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、山口組の機関紙に掲載された六代目山口組の恒例行事のある変化について。

 * * *
 2023年5月、愛知県警が特定抗争指定暴力団・山口組傘下の二次団体「若林組」組長の篠原重則容疑者ら6人を逮捕した。容疑は、プロパンガスの容器を国の基準に従わずに違法に車で運搬した高圧ガス保安法違反の疑い。きっかけは毎年恒例、12月に行われている餅つき大会だ。その場にいた現場捜査員がそれを確認したと報じられている。

「昔からヤクザは一般人が罪にならないような事でも逮捕されてきたが、最近は、そんなことでと思うような事で逮捕されるようになってきた」と、暴力団関係者はこぼした。山口組毎年恒例の餅つき大会では、担当する組長や組員らが滞りやミスがないよう、微に細に渡り準備をするのだと聞く。今回は、プロパンガスの運搬方法が例年と違っていたということだろうか。
 
 その餅つき大会の様子が「山口組新報」第28号(2023年3月1日号)に載っていた。山口組新報は六代目山口組の社内報ともいうべき機関紙で、全8ページオールカラーのタブロイド版で、年に数回発行されている。餅つき大会の参加者は近隣ブロックから100人を超え、500キロの餅米を8台の蒸し器で蒸したという。この蒸し器を稼働させるために10本のプロパンガスが運び込まれたのだ。親分と呼ばれる司忍組長も杵を握り、皆で餅をつき、赤いエビ餅に緑のヨモギ餅、あん餅に白餅、雑煮に善哉を作って食す。組にとっては、これで無事恒例行事を終わらせることができたはずだったが、警察の目は厳しかった。

およそ50~60cm四方、2段の誕生日ケーキ

 新報第28号の4頁目には、もう1つ、組にとって大事な恒例行事の様子が報告されていた。司組長の誕生祝いだ。今号、その祝宴の様子を報告しているのは六代目山口組若頭補佐の安東美樹・二代目竹中組組長だ。以前は総本部二階の大広間が宴席会場だったが、今は特定抗争指定になり山口組総本部をはじめ、指定区域内のすべての事務所は使用禁止。今年の祝宴がどこで開かれたかは書かれていない。今回の新報に掲載されたタイトルも、以前は「六代目親分御誕生日祝宴」だったが、今は「親分御誕生日」。祝宴とは書かれておらず、大きな集まりがあったという印象を消している。些細な事でも突っつかれないよう注意しているのだろう。警察による圧力はこんなところからも感じ取れる。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン