ミス青学コンテストにエントリーした小室アナ
他局以上に目立つ40代以上の起用
近年メインキャスターに起用された朝の井上アナ、午後の宮司アナ、スポーツの佐久間アナに加えて、今春に午前の小室アナ、深夜の堤アナがハマったことで、ほとんどの時間帯が「適材適所ではないか」という声があがっているのです。
そんな若手・中堅のアナウンサーを支えるベテランも健在。西山喜久恵アナ、佐々木恭子アナ、島田彩夏、梅津弥英子アナ、遠藤玲子アナなど、40代以上の出演も他局以上に目立ちます。メディアに採り上げられることは少ないものの、ベテランアナウンサーをしっかり起用して、番組に安心感、アナウンス室に層の厚さをもたらしていることも、フジテレビアナウンス室の強みなのでしょう。
若手を抜てきして組織を活性化し、中堅のキャリアとプライベートをサポートし、ベテランにも現役として力を発揮してもらう。アナウンス室に限らず、ビジネスの世界にも共通するような人材活用の妙が感じられます。
いまだにフジテレビのアナウンサーは、かつてのイメージから「ビジュアルにこだわったアイドルのような売り出し方をしている」「タレント気取りのアナウンサーが多い」などと言われがちですが、現在の状況を見る限り、そのような浮ついたところはないでしょう。
働き方改革の影響やアナウンサーの早期退職が増えたことなどから民放各局は、「複数のスターアナウンサーを育てなければいけない」という課題を抱えています。その点、キャリアを踏まえた適材適所の起用が見られるフジテレビは、数年後に「技術も知名度も高いスター」が多数在籍するアナウンサー王国になっているかもしれません。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
