オフで帰国してもメディア出演はほとんどない

「罪」について語ったことでストイックさが露呈(写真は2022年)

1日6~7食で体重が大幅アップ

 大谷が世界の舞台で活躍できるのは、基礎的な運動能力に加え、不断の努力を続けているからだ。それを成り立たせているのが、大谷の“内臓力”の高さだ。2012年に北海道日本ハムファイターズに入団した頃の大谷は、身長193cm、体重86kgだった。これでも充分立派な体躯だが、現在の大谷はそこから体重が15kg前後増加し、常時100kgを超えている。

 大谷が初めて100kgの大台に乗ったのは、まだ日本球界にいた2016年のオフだった。ダルビッシュ有(36才)から体作りのアドバイスを受け、大幅な体重増加に着手。2か月ほどで7~8kg増量した際には、1日6~7食という食生活を続けていた。『渋谷文化村通りレディスクリニック』の院長で、元プロボクサーでもある高橋怜奈氏が解説する。

「アスリートにとって、食事はトレーニングや睡眠と並んで、非常に重要な要素です。膨大な運動量をこなし、体を酷使するのですから、食べられなければすぐに体重が落ちてしまいます。消化吸収が悪い人は、どうしても下痢をしてしまったり、吸収効率が悪くて筋肉がつきにくいということもあるでしょう。

 また、食事がしっかり摂れなければストレスにつながったり、集中力の低下の原因にもなります。食べられることは、アスリートが大成する上でとても重要な能力のひとつなのです」

 一般人でも、夏場に食欲が落ちると体がぐったりし、精神的にも疲れやすくなる。しっかりと食べてベストコンディションを保つことは、一流アスリートとしての「必須条件」なのだろう。そういった意味では、大谷の異次元の“内臓力”は疑いようがないものだ。

 もちろん「食べる能力」はそう簡単に身につくものではない。大谷の出身校である岩手県の花巻東高校の野球部では、部員たちは「毎日どんぶり10杯の白飯」を課せられていたという。

「部のルールでは10杯でしたが、大谷選手には13杯のノルマが課せられていました。入学時、身長はすでに190cmでしたが、体重はたったの65kgしかなかった大谷選手にとって、当初はこれがつらかった。食べきれずに寮の自室の引き出しに隠し、カビを生やしてしまったこともあったそうです。ただ、懸命に食べ続けたおかげで、高校卒業までに20kg以上も体重が増えました。プロ入り後にも生きる“食べる能力”はそこで育まれた。まさに食の王様ですよ」(スポーツライター)

 前出の高橋氏もこう続ける。

「胃だけでなく、栄養の補給能力を高めるためには腸の働きも大切です。最近は、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスをよくする『腸活』という言葉を耳にしますよね。腸のバランスが整うことで、消化吸収がよくなります」

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