大谷と日米をつなぐ水原一平人脈

大谷と日米をつなぐ水原一平人脈

 大谷と同期入団の新垣勇人(37)はドラフト5位で指名され、日本ハムで6年間プレーした。水原の印象について「見た目そのままの人ですよ」と話す。

「一平さんは凄く穏やかな人です。基本的に外国人選手の通訳なので、外国人選手の身の回りの世話を24時間していました。話すと明るくて、外国人選手が試合中のベンチやアップ中のグラウンドで孤立しないよう常にそばにいて、コミュニケーションをとっていました。

 今は翔平とキャッチボールをしている映像がよく流れていますが、日本ハム時代は試合前の打撃練習中にグローブを持って外野で球拾いをやっていました。これが滅茶苦茶下手で(笑)。外野フライが上がるとキャッチしようとするんですが、へっぴり腰で落下点近くに行くものの、打球は横や前にドンと落ちる。それを見て外野でアップしているボクや翔平たちは爆笑していました」

 馴染みやすい性格でチームに瞬く間に溶け込んだ水原だが、外国人選手からの人望は厚かった。2014年から2年間、日本ハムの打撃コーチを務めた柏原純一(71)が言う。

「当時は外国人選手がよく入れ替わっていたので、様々なタイプの外国人選手の身の回りの世話をするのは大変だったと思いますよ。

 スコアラーの指示を選手に伝えるのもそうですが、監督と外国人選手の間にも入って調整しないといけない。特に途中交代なんかは通訳の腕の見せ所。人柄がいいというか、その辺りもうまくやっていたような印象ですね。彼はアメリカで育っているので、文化や風習も外国人に近い。外国人選手が安心して頼っていました」

 親交があったメンドーサ(39)からは、2018年に結婚した水原の妻となる女性を紹介されたという。

(第3回につづく)

取材協力/水谷竹秀(ノンフィクションライター)フィリピンを拠点に活動後、世界各国を取材。近著に『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小社刊)

※週刊ポスト2023年8月18・25日号

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