ライフ

「いきなりの異変」突発性難聴 発症後、早期に治療を始められるかどうかが予後を左右する

歌手・山本譲二も突発性難聴に悩む1人

歌手・山本譲二も突発性難聴に悩む1人

「最近、耳が遠くなったんじゃない?」──そう周囲から指摘されて気が付く難聴は高齢者にとって身近なものかもしれない。これは「加齢性難聴」と呼ばれ、歳とともに進行するものだ。

 一方、ある朝起きたら、急に耳が聞こえなくなっている──そんな恐怖も実はすぐ近くにある。突然、片方の耳の聞こえが悪くなる「突発性難聴」。日本での発症は年間で1万人に1~3人ほどの割合だが、近年増加しているという。前項で取り上げた耳鳴りや頭痛などを併発し、患者を苦しめる厄介な病気だ。

 歌手・山本譲二(73)も、そんな突発性難聴に悩む1人。山本が語る。

「今から14年前のある朝、起きたら右耳が急に聞こえなくなっていました。耳に水が溜まっているような感じがしたので、風呂で水でも入ったかなと思い、念のため耳鼻科を受診しようと外出したら、右を走る車の音が全然聞こえてこない。まずいな、と思いました」

 耳鼻科では「中耳炎だろう」と言われたが、聞こえなくなった原因は全く別のものだった。CTで検査した結果は、「顔面神経良性腫瘍」。

「耳の鼓膜の奥を通る顔面神経の上に、枝豆状の腫瘍ができていたんです。医師からは、『腫瘍が耳の奥の耳小骨を覆っているため、蝸牛に鼓膜の振動が伝わっていない』と説明を受けました」(同前)

 手術をすれば腫瘍を取り除くことはできるが、顔面神経を切断して繋ぎ直す必要があるため、「顔面麻痺」のリスクがあると説明を受けたという。

治療法はステロイドのみ

 耳が聞こえないことも問題だが、大勢の観客を前に歌う歌手にとって顔面麻痺も相当なリスクだ。悩んだ末に、「手術をしない」決断をした。

 右耳の聴力は健常者が10とすれば3くらい、左耳は7くらいしか聞こえないが、「現状維持ができている」と山本は言う。

「昔なら引退するしかなかったでしょうが、今は技術が進んだおかげで、イヤーモニターをつけることで伴奏が聞こえます。本当に助かりました」

関連記事

トピックス

起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
新体操フェアリージャパンのパワハラ問題 日本体操協会「第三者機関による評価報告」が“非公表”の不可解 スポーツ庁も「一般論として外部への公表をするよう示してきた」と指摘
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
大臣としての資質が問われる(写真/共同通信社)
三原じゅん子・こども政策担当相が暴力団とゴルフ写真の“反社疑惑”にダンマリの理由「官邸は三原氏のことなど構っていられない」
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン