芸能

世界中で支持される韓流カルチャー 重要なきっかけとなった、日本での『冬ソナ』ブーム

ペ・ヨンジュンが来日した際には約3500人のファンが成田空港で出迎えた

ペ・ヨンジュンが来日した際には約3500人のファンが成田空港で出迎えた

 いまや第4次ブームといわれる韓流。コロナ禍における巣ごもり需要と相まってネットフリックスなど動画配信サービスが一気に普及。その波に乗り、日本でも『愛の不時着』(2019年)や『梨泰院クラス』(2020年)、『イカゲーム』(2021年)などが社会現象となり、もはやK-POP、コスメ、料理、ファッションなどは日常に欠かせないものとなった。

「韓流人気は日本にとどまらず、アジア、アメリカ、ヨーロッパでも多くのファンを獲得しています」

 そう言うのは、韓国カルチャーに詳しい作家の康熙奉さん。

「韓流コンテンツはブームというより、もはや1つのジャンルとして確立しています。世界中で、配信サービスの中心は韓国ドラマ(以下、韓ドラ)ですし、今年4月にはネットフリックスのCEOが『4年間で韓国作品に25億ドル投資する』と表明し、話題になりました」(康さん・以下同)

日本のドラマで竹野内豊と共演したチェ・ジウ

日本のドラマで竹野内豊と共演したチェ・ジウ

 また音楽の方でも韓国が世界を席巻している。米ビルボードのグローバルチャートでは、K-POPが軒並みランクイン。

 BTSとともに、世界中で人気のガールズグループ『BLACKPINK(ブラックピンク)』は、2022年、女性アーティストで初めて、米『ビルボードグローバル200』チャートで同時に2曲が1位と2位にランクインするなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

 いまやワールドワイドに人気の韓流カルチャーだが、「そのきっかけの1つとして、日本の韓流ブームがあげられる」と、康さんは続ける。

「日本の第1次韓流ブームに火をつけたのは、2003年にNHKのBSで放送された『冬のソナタ』(以下、冬ソナ)といわれていますが、実は、その前からブームの土台はできていました。というのも、2002年に日韓共同でサッカーW杯が開催され、これをきっかけに新しい日韓の大衆文化の交流が試みられました。このとき日本から多くの人が観戦目的で渡韓。現地でドラマや音楽などの文化に直に触れ、興味を持つ人も増えました。それまで近くて遠い国だった韓国がグッと身近な存在になったのです」

 そんな中、日本のテレビ局が韓国の作品を放送するようになる。いち早く韓ドラを放送したのは、福岡のTVQ九州放送。航空学校を舞台にした『ザ・パイロット』という作品だが、深夜0時の枠ながら視聴率2〜3%台を叩き出した。次いで全国ネットのテレビ朝日でも2002年に『イヴのすべて』を深夜に放送するなど、韓ドラに触れる機会が徐々に増えていく。

「日韓W杯を記念して制作された『フレンズ』(TBS系)では、深田恭子(40才)とウォンビン(45才)が共演。ウォンビンは『韓国のキムタク』として日本で紹介され人気を得ました。

 そこにNHKが『冬ソナ』の放送を始め、主演のペ・ヨンジュンが日本でヨン様ブームとなり、平均視聴率14%以上を獲得。ヨン様とともにイ・ビョンホンやウォンビン、チャン・ドンゴン(51才)が『韓流四天王』として日本のメディアに取り上げられ、次々に韓ドラがテレビ放送されるようになりました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン