国内

主語が「林真理子理事長」だからこそ注目を浴びる日大の“マッチョ体質” 改革への期待も高まる

今後、改革は進むか

今後、改革は進むか

 アメリカンフットボール部員の違法薬物問題で揺れる日本大学。林真理子理事長の対応や今後の改革への期待について、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが綴る。

 * * *
 日本大学は8月10日、覚醒剤取締法違反(所持)と大麻取締法違反(所持)の疑いで部員が逮捕されたアメリカンフットボール部の無期限活動停止処分を同日付で解除。逮捕された部員1名のみを無期限活動停止処分とすると発表しました。

 5日に発表されていた「処分」は、わずか5日で「解除」。「個人」の犯罪を「連帯責任」とするのは、「競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰する」「学生の成長を第一に願う教育機関として最善の措置ではないと判断した」とのことです。

 この発表に対しては「甘い」という批判が少なくないものの、一方で当初から「連帯責任は理不尽」という声もあったのです。私は後者だったのですが、アメリカンフットボールの関東学生連盟は日大を当面の間、「出場資格の停止」に。9月2日に予定されていた法政大学との関東大学リーグ1部上位「TOP8」開幕戦は中止となりました。

 いろいろとモヤモヤは残るものの、こうしたスポーツ紙の記事やニュースの主語がやっと「林真理子理事長」から「日本大学」に戻ってくれた……と安堵したのも事実。週末の情報番組ではまた、あらゆる方向から林さんに批判が集まってしまうのですが……。

 2022年、女性で初めて日本大学の理事長に就任した林真理子さん。日大の“マッチョな体質の改革”を挙げ、女性を積極的に登用されてきました。就任1年後の今年7月の会見では「6割の改革が進んだ」と報告した林さん。日大のジェンダーギャップの解消には特に積極的でいらして、全員男性だった(!)理事が、24人中8人の女性理事に代わったのです。外部からブレーンを積極的に採用していらしたし、秘書室職員による役員への“お茶くみ”を廃止に。女性職員に大不評だった和式トイレを洋式に“改革”したのも林さんでした。そんな矢先にアメフト部員が逮捕されてしまったのです。

 8日の会見で「6合目からかなり後ずさりしたという感は免れません。(中略)けれど、これを大きな契機と考え、ここで体力をつけて、また一気に7合目まで登っていきたいと思っております」と前向きに語った林さん……さすがだと思いました。

 ただし、学校運営ではない“競技スポーツ”には「遠慮があった」ともおっしゃっていましたね。理事長職にはあるけれど、権限が100%ではないということです。そんな林さんについて「お飾り」とか「蚊帳の外」と報じるメディアもありました。その大半は、いわゆる“おっさんメディア”です。私が読んだ夕刊タブロイド紙には、「素人」「何も期待していない」という“日大関係者”のコメントが記されていました。ほんと、イヤ〜な感じですよね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《巨人V9の真実》400勝投手・金田正一氏が語っていた「長嶋茂雄のすごいところ」 国鉄から移籍当初は「体の硬さ」に驚くも、トレーニングもケアも「やり始めたら半端じゃない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
フランクリン・D・ルーズベルト元大統領(写真中央)
【佐藤優氏×片山杜秀氏・知の巨人対談「昭和100年史」】戦後の日米関係を形作った「占領軍による統治」と「安保闘争」を振り返る
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン