一塁を守る外国人選手が活躍できるとは限らない
では、各球団の一塁手事情はどうなっているのか。プロ野球では主に外国人選手に任されるポジションというイメージもある。
「今年の12球団の開幕スタメンで、一塁を守った外国人選手はオリックスのゴンザレス、ヤクルトのオスナ、広島のマクブルーム、中日のビシエドと4球団です。しかも、この中で出続けているのはオスナしかいません。マクブルームやビシエドはチームの中で最も多く一塁を守っていますが、マクブルームは不振と怪我で6月から二軍生活が続き、ビシエドも今年二度の登録抹消がありました。
外国人選手が最も多く一塁を守っている球団は他に2つあります。DeNAのソト、西武のマキノンです。ただ、ソトは打率2割3分5厘、8本塁打で期待されるほどの成績を残せていない。マキノンは2割5分6厘、12本塁打です。山川穂高が不祥事で一軍にいないための措置ですが、こちらも及第点とは言えません」
一塁手の外国人選手を獲得する球団は多いが、その選手がシーズンを通して数字を残すとは限らない。
「10年安泰の日本人のファーストがいれば、外国人枠を投手など他のポジションに使える。和製大砲はどの球団も欲しい。チーム状況次第では、かつての清原と同じように、麟太郎が1年目から一塁で活躍する可能性も十分ある。」
村上宗隆メジャー挑戦後の和製大砲候補に?
甲子園を視察した巨人の水野雄仁スカウト部長は注目選手として、打者では広陵の真鍋慧、九州国際大付の佐倉?史朗、そして佐々木麟太郎を挙げている。
「巨人のチーム事情を考えると、今年のドラフトは即戦力投手を指名する可能性が高いでしょう。今季はほぼ優勝の可能性がなく、3年連続V逸は確実です。来年は2022年から3年契約を結んだ原辰徳監督の契約最終年であり、なんとしても優勝しなければならない。投手力に悩んでいる事情からしても、大学か社会人のピッチャーが有力です。しかも、昨年は高松商業の浅野翔吾を1位指名している。2年連続で高卒野手のドラフト1位は考えづらい。投手力の弱いチーム事情を無視して、思い切って指名してもいいほどの逸材ではありますが……」