解散・総選挙が来年にずれ込めば、82歳の麻生氏に続いて84歳の二階俊博・幹事長も地盤を三男に譲って引退するという見方が強い。
「二階派のベテラン議員の中には二階氏と一緒に引退しそうな議員が多い。そうなると二階派でも跡目争いが始まるでしょう」(有馬氏)
自民党の5大派閥を見ると、後継者争い真っ最中の最大派閥・安倍派に加え、麻生派、二階派、そして茂木派でも茂木幹事長を支持する衆院側と小渕優子・元経産相を支持する参院側が一触即発の状況にある。
麻生氏の引退表明をきっかけに、自民党の各派閥で本格的な跡目争いが激化し、派閥分裂や再編という自民党大動乱に突入する可能性が強いのだ。
そんな政界激震の中で、党運営を麻生氏に丸投げしてきた支持率ジリ貧の岸田首相が政権を保つのは容易ではない。
麻生氏の“電撃引退表明”が、瀕死の岸田首相にトドメを刺すことになるかもしれない。
※週刊ポスト2023年9月1日号