芸能

【日本テレビ・レジェンドアナ座談会】代々伝わる「天城越えより困難な箱根越え」駅伝実況の“体育会系”舞台裏

日テレ女子アナ同窓会

日テレのレジェンドアナウンサーが座談会に集まり「箱根越え」の話題も盛り上がった

 1980~1990年代のテレビ黄金期を支えた日本テレビのレジェンドアナ3人(永井美奈子、松本志のぶ、馬場典子)が再会。当時を知る3人が、日テレならではの一大イベント・箱根駅伝でのスポーツ実況を振り返る。(司会・構成/放送作家・山田美保子)【全4回の第2回。第1回から読む

 * * *
永井:私たちの代だと、皇室のご成婚も多かった。なかでも雅子さまのご成婚パレードでの大杉君枝さんの中継は、落ち着きのある声質、言葉選び、タイミングと震えが来るほど感動しました。君枝さんは車のスピードからその日の気温、風の吹き方まですべて調べていました。何度もイメージトレーニングされていたんでしょう。君枝さんの姿勢からはあまりにも学ぶ点が多かった。

馬場:君枝さんは自分の歩幅が何cmか正確に把握したうえで、一般参賀に行ってこの橋は何mだからどれくらいの時間がかかるとか、日頃から常に準備されていましたよね。

松本:本当に、アナウンサーのあるべき姿を体現されていました。

馬場:実況というと「横浜国際女子駅伝」も印象深いです。

永井:あ~、初めて中継所でリポートしたとき、ランナーの姿が確認できなかったこともあって全く喋れなかったことを憶えています。その後、私には2度と声がかからなかったけれど(笑い)。その点、関谷のリポートは素晴らしくて、スポーツキャスターとして本当に尊敬しています。

松本:スポーツ実況って資料集め、資料づくりから始まって現場のサポートも全部一人でやるという大変な仕事なんですけれど、やはり場数をこなさないと実力はつかない。

馬場:なのにチャンスがまわってくるのは年に1度あるかないかで。うまくできた実況の想い出は私にもありませんね。

永井:とはいえ、日テレには箱根駅伝という一大イベントがあるので、男性はもちろん女性アナウンサーもけっこう“体育会系”になるんですよ。日テレ独自の『サブアナシステム』あって、実際に実況者として喋る前にトレーニング期間を設けています。メインの人と一緒に取材したり、資料整理をします。本番ではメインの隣に座って一番近くで先輩の実況を聞く事が出来るので本当に勉強になる。箱根駅伝では全区間の距離を測るため、通称コロコロという距離計を転がしながら歩くんです。

松本:リポートを除いて、箱根駅伝の中継では基本的に女性アナウンサーは声を出さないという暗黙のルールがあるんです。女性はサブとしてストップウォッチを片手にタイムを伝えたり、上がってきた情報をスタジオに伝えたり。

馬場:スポーツの種類によってその躍動感を伝えるのに適した声質があるんでしょうね。フィギュアスケートは女性も多く担当しますから。

松本:当日を迎えるまでも大変です。半年前から各大学を担当制で一校ずつ取材して、選手やマネジャーさん、監督さんにインタビューして情報を集めて、すべての箱根駅伝担当者に配るんです。でも「これじゃあ足りない」「なんでここをもっと深く聞いてないんだ、やり直し!」と言われてまた取材に出ることも。文科系でもおのずと体育会系になっていきましたね。

関連記事

トピックス

初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン