国内

【黙れ、殺すぞ】京アニ事件初公判 弁護側「闇の人物」主張で思い出された青葉被告の隣人の「危ない目つき」証言

殺人や現住建造物等放火などの罪に問われている青葉真司被告(時事通信フォト)

殺人や現住建造物等放火などの罪に問われている青葉真司被告(時事通信フォト)

 36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、青葉真司被告(45)の初公判が9月5日、京都地裁で開かれた。

 4年前の事件当夜、週刊誌編集部からの連絡で埼京線に飛び乗った筆者はさいたま市郊外の青葉の自宅に走り、数日後には京都の現場取材をして歩いた。あの時の謎の多い人物像はいまだに拭い去れないままだ。

 京アニ事件は、戦後最悪の放火殺人である。過去の放火殺人事件と比べると、大阪の個室ビデオ店放火事件(2008年)の犠牲者は16人、大阪・北新地の雑居ビルで起きた精神科クリニック放火事件(2021年)27人。これらと比べても、その異様さは際立っている。

 新聞・テレビのウェブサイトで次々と更新される初公判の情報を読み込んでいくうちに、4年前に現場で感じた青葉の“切羽詰まった感じ”に通じる言葉にも出くわした。

 報じられている検察・弁護側の冒頭陳述によれば、3人きょうだいの次男として1978年に生まれた青葉被告は9歳の時に両親が離婚。引き取り手の父親の下での生活は貧しく、虐待も受けていた。不登校の時期を経て定時制の高校に働きながら通い、卒業後はコンビニに8年間勤務するも、その後は職を転々とする。そして、やがて無職に。

 生年からすると青葉は「ロスジェネ世代」に属している。経済的な安定軌道に乗れない湿った空気はわかるが、この後の青葉の転落ぶりからすれば、そうした一般論でくくることはできない。

 下着泥棒や女性への暴行事件を起こして執行猶予付きの有罪判決を受けただけでなく、34歳の時にはコンビニ強盗を起こし、懲役3年6カ月の実刑を受けている。京アニ作品に出会ったのは最初の判決の後のことだった。

「闇の人物」に追い詰められていた?

 小説家になるため筆を執るようになったというが、当然ながらそう思ったからといって小説が簡単に書けるわけもなく、何度も書き直しては自暴自棄に陥ったそうだ。

 これ以降、精神状態は怪しくなっていく。匿名掲示板を通じて京アニの女性監督と恋愛関係にあると考えるようになるとか、「レイプ魔だ」と書き込まれ、「バカにされた」と考えたとか、虚実を確かめようもない。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン