スポーツ

大谷翔平が見せた「勝利への執念」 プロ意識を欠くチームメイトのグータッチを完全無視したことも

厳しい大谷

勝利への執念を持つ大谷(写真/AFLO)

 右肘故障が判明して約2週間。大谷翔平(29才)は「二刀流」を捨てて打席に立ち続けた。すべては勝利のためだったが、優勝が遠のいたチームはシーズン途中で戦うことをやめた。そのとき、大谷は何を思ったのか。温厚な男が見せた意外な一面──。

 胸元に大きく「BOSS」のロゴが入った黒のパーカに同色のパンツを合わせ、後ろ向きにかぶったキャップも黒で統一。シンプルなコーディネートで球場入りするロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平の様子が球団公式のインスタグラムに投稿されたのは、9月1日(日本時間2日)のことだ。

 ファンからは「かわいすぎる」「カッコイイ」などの声が上がったが、笑みを浮かべながらも大谷はうつむき加減。もしかしたら、溢れそうな怒りの感情をその笑顔で隠していたのかもしれない。

 約1週間前の8月23日(同24日)、投手として先発した大谷は2回途中で異変を訴え緊急降板。試合後の検査で、右肘の靱帯損傷が判明した。

「大谷選手はけがの判明後も打者に専念して試合に出場し続けています。エンゼルスのプレーオフ進出を目指して、少しでもチームに貢献したいという思いがあったのでしょう」(スポーツ紙記者)

 メジャーリーグは、シーズンを通して各球団が所属するリーグを勝ち抜くと「プレーオフ」に進出でき、勝ち進むことで優勝を決める「ワールドシリーズ」に出場できる。過去8年間プレーオフに進出できていないエンゼルスは、長年“弱小チーム”と位置付けられてきた。だが今季は例年とは違い、シーズン後半に入ってからも好調を維持していた。

「毎年7月頃になると、敗戦が重なってプレーオフ進出を諦めたチームは“売り手”に回り、高額年俸の主力選手をトレードに出します。ですが、今年のエンゼルスは“買い手”に回り、6月終盤以降、ほかのチームから即戦力の選手を次々と獲得しました。7月末にトレードに出す可能性があった大谷選手を手放さずに、9年ぶりのプレーオフ進出に向けて球団も勝負に出たのです」(前出・スポーツ紙記者)

 7月27日、球団の選択に大谷は次のように語った。

「買い手側に回ることによって戦力的に強化されるし、やる気、士気も高くなる。エンゼルスで最後までプレーするつもりでいままでやってきた。まわりの声も含めて、気持ちもすっきり臨めたので、これからプレーオフを目指して頑張りたい」

 だが勝負とは非情なもの。盤石な体制を築いたはずのエンゼルスだったが、8月に入り大失速。大きく負け越してライバルチームに水をあけられてしまった。結果、エンゼルスはあっさり白旗をあげた。冒頭、大谷が“笑顔”で球場入りした前日、球団は大きな決断を下していた。

「主力選手5人を他球団に放出したんです。これは事実上の“勝利放棄”を意味します。満身創痍で出場を続ける大谷選手からしたら“なんで諦めてしまうんだ”という憤怒の感情を抱いたとしても不思議ではありません。プレーオフ進出はかなり厳しくなっていたけれど、可能性はゼロではなかった。シーズン終了まで諦めずに戦う姿勢を、貫いてほしかったのではないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村雅俊が松田優作との思い出などを振り返る(撮影/塩原 洋)
《中村雅俊が語る“俺たちの時代”》松田優作との共演を振り返る「よく説教され、ライブに来ては『おまえ歌をやめろよ』と言われた」
週刊ポスト
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン