国内

【解散・総選挙へ】岸田首相、自民党内“反主流派”菅前首相と激しい暗闘 スキャンダルのぶつけ合いに発展

岸田文雄・首相、反主流派との暗闘も(写真/JMPA)

岸田文雄・首相、反主流派との暗闘も(写真/JMPA)

 初入閣は11人、過去最多に並ぶ5人の女性閣僚を引っさげ、第2次岸田再改造内閣が発足した。だが、岸田文雄・首相の視線はすでに「解散」へと狙いを定めている――。

 内閣改造直後から自民党内には「やはり岸田総理は解散・総選挙をやるつもりだ」(ベテラン議員)との受け止めが広がり、再び解散風が強まっている。

 岸田首相を解散へと追い立てているのが自民党内の不穏な動きだ。来年9月には自民党総裁選が行なわれる。再選をめざす首相にとって最大のライバルになると見られているのが党内第2派閥を率いる茂木敏充・幹事長だ。

 自民党には、政権を支える立場の幹事長は「首相(総裁)と総裁選を争わない」という不文律がある。そこで岸田首相は茂木氏に幹事長を続投させて政権に囲い込む一方で、茂木派内で茂木氏と対立関係にある小渕優子氏を党4役の一つ選対委員長に据えて牽制した。

「小渕が選対委員長として目立つほど、茂木は埋没する。小渕起用には茂木の力を削ぐ狙いもある」(岸田側近)

 前回総裁選で首相と争った河野太郎・デジタル相と高市早苗・経済安保相をあえて留任させたのも、閣内に封じ込めておくためだ。

反主流派との暗闘

 だが、党内にはそれでも安心できない強敵が残っている。反主流派の旗頭、菅義偉・前首相だ。菅氏は今年初めに反岸田の声をあげた後、一時は鳴りを潜めていたが、8月7日に二階俊博・元幹事長、森山裕・総務会長(当時は選対委員長)と会食して「反主流派3人衆」の結束を確認すると、積極的に動き出した。

 各地の講演でタクシー不足解消のために「ライドシェア解禁」【※注】を提唱し、週刊ダイヤモンドで「官邸の決断」の連載をスタートして岸田政治との違いをアピールするなど対抗姿勢を鮮明にしている。

【※/一般のドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア(相乗り)」。これまで日本では一部を除き道路運送法で禁止されているが、タクシー不足などから解禁を検討すべきという声があがっている】

 水面下では、岸田首相は内閣改造の前から、反主流派と激しい暗闘を繰り広げてきた。

「政権を襲った木原スキャンダルも、官邸サイドは『情報が漏れすぎる。菅政権で重用された元警察官僚が背後で糸を引いている』と疑っている」(同前)

 官邸側も反撃に出た。さる9月8日、首相の地元・広島の中国新聞が、菅側近として知られた河井克行・元法相の選挙買収事件で、「すがっち 500万円」などと買収資金の提供元が書かれた河井氏のメモを検察が押収していたことをスクープした。

 菅氏は「そんなことあるわけがない」と報道内容を強く否定したが、自民党内では「中国新聞は岸田総理の地元紙。木原スキャンダルに対抗して菅さんにダメージを与えるために官邸サイドが仕掛けた」(菅氏に近い議員)と受け止められている。

 両陣営の対立はスキャンダルのぶつけ合いに発展しているのだ。

関連記事

トピックス

本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
2021年ドラ1右腕・森木大智
《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン