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注目集める来季巨人の監督人事 「川相昌弘監督」誕生なら若手を育て上げて勝つ野球を体現できるか

来季は「川相昌弘監督」となる可能性も(時事通信フォト)

川相昌弘氏(左)が巨人の監督となった場合、チームをどう再建するのか(時事通信フォト)

 通算17年間にわたって指揮を執り、巨人歴代1位の勝ち星を積み重ねてきた原辰徳監督の周辺が騒がしくなっている。9月29日のオーナー会議後、巨人の山口寿一オーナーは来季3年契約の最終年となる原辰徳監督の続投を明言せず、「来季のことは真剣に考えなきゃいけないと思ってます。まだ試合も残ってますから、今日の段階でそれ以上のことは言えない」と語った。

 この日、巨人のBクラスが確定。オーナーの発言後、初めての試合となった9月30日の中日戦では、原監督が完封ペースのエース・戸郷翔征を7回86球で降板させ、ケガから復帰後調子の上がらない大勢を8回から登板させた。しかし、同点に追いつかれ、9回には中川皓太が勝ち越しソロを浴びて逆転負け。戸郷は自己最多の13勝目を逃した。

「原監督は大勢を立ち直らせたい親心があるのでしょうけど、1対0の8回という厳しい状況で登板させる必要があったのか。順位も決まっていますし、もっと楽な場面で投げさせればよかった。戸郷は今季最終登板でせっかく好投したのに勝ち星がつかず、大勢は傷口を深くした。2人とも後味の悪い敗戦となりました」(ベテラン記者)

 この継投のように、近年の原監督は采配を疑問視される場面も増えている。

「今季、原監督の起用で秋広優人や門脇誠、山崎伊織などの若手が伸びたのも事実です。ただ、この時期にオーナーが続投を言い渡さないとなれば、来季の契約はないと考えていい。球団史上2度目、同一監督では初の2年連続Bクラスでの留任はさすがにないのでは」(前出のベテラン記者)

 原監督の退任はまだ不透明だが、来季の監督候補として落合博満・元中日監督(69)、中畑清・元DeNA監督(69)、OBの江川卓氏(68)、工藤公康・前ソフトバンク監督(60)、桑田真澄ファーム総監督(55)、高橋由伸・前巨人監督(48)、阿部慎之助ヘッドコーチ(44)などの名前が挙がり、取り沙汰されている。

「原監督の実績は申し分ないですし、見事な手腕を振るってきたと思います。ただ、一昨年のシーズン途中に中田翔を日本ハムから無償トレードで獲得し、すぐにスタメンで起用してから求心力は明らかに落ちた印象です。原監督はFA補強でチーム力を上げて、優勝させてきた。しかし、近年は巨人に有力選手が来る時代ではなくなりました。若手を育てながら勝つ必要がある。そう考えた時、川相昌弘総合コーチ(59)が適任ではないかという見方も出ています」(球界関係者)

通算533犠打のバントの名手

 川相は1982年秋のドラフト4位で岡山南高校から巨人に入団。7年目の1989年にショートのポジションを奪った。1994年にはチーム最高の打率3割2厘を打ち、ベストナインにも輝いた。2003年、原監督に来季のコーチを打診され、現役引退を決意。しかし、原監督が辞任したため、川相は現役続行を決意。落合監督が就任したばかりの中日に移籍し、2度の優勝に貢献して2006年限りで引退した。通算6度のゴールデングラブ賞を獲得し、世界記録の通算533犠打を決めたバントの名手としても知られる。

「バントや堅実な守備のイメージからおとなしい性格に思われがちですが、現役時代からとにかく熱い人です。ベンチ裏で暴れ回ることもあったし、怒ると手をつけられなくなるほどでした。野球に対する情熱はピカイチ。選手を鼓舞する言葉も持っている。指導経験も豊富ですし、川相監督を一度見てみたいという声はあります」(前出の球界関係者)

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