「たばこ屋なんだからタバコを吸わせろ」と食い下がる常連客もいたが、このままでは近所中の迷惑になってしまうと思い、やむなく喫煙所の閉鎖を決定した上野さん。しかし、閉鎖以降も喫煙者が相次ぎ、勝手に灰皿を置いていくなどして、いつの間にか「ヤミ喫煙所」と化してしまったと嘆く。
「灰皿を置いていた頃より、マナーが悪くなったように思います。吸うなってところで吸ってんだからそれは間違いないんだろうけど、喫煙所を減らせば減らすほど、こういうことが増えるんじゃないかと思うね」(上野さん)
禁止されているところで喫煙するのは当然ダメだとしつつも、喫煙場所を減らすだけでは、こうしたトラブルが増えると実感している上野さんや前出の島田さん達。JR東海が説明するように、確かに喫煙者数は減少しているのだろう。だが、喫煙できる場所はそれ以上のスピードで減っていないかというのが、前出の上野さんや島田さんが密かに抱いている思いのようだ。
喫煙者がマナーを守ることは大前提だが、すでにこうしたトラブルが起きている以上「新幹線の完全禁煙」移行においても、同じようなトラブルが起きないよう、事前対策も同時に進めていかなければならないだろう。