坂口氏の婦人部長時代に開かれた幹部会の様子を報じた聖教新聞(1988年4月28日付)。写真左に池田氏が写っている

坂口氏の婦人部長時代に開かれた幹部会の様子を報じた聖教新聞(1988年4月28日付)。写真左に池田氏が写っている

 坂口氏は東京の下町、荒川区で生まれ育ち、母に連れられ6歳で入会。当時の下町の風景を、坂口氏自身が学会系の雑誌にこう語っている。

〈私の小学校時代といえば、昭和30年代の初めで、東京にもまだ野原があり、家の前には路面電車が走っていたころ。今のように塾などもなくて、毎日、真っ黒になって遊んでいました〉(「パンプキン」1991年1月10日号)

 下町の子供の牧歌的風景だが、大人たちは貧困と隣り合わせ。苦しい暮らしに救いを求めるように、坂口氏の一家は創価学会に入会した。自宅は活動拠点の一つとなる。

〈みな貧しくて悩みだらけでしたからね。そういうのを大人に交じって見聞きし、毎週日曜日には未来部の会合に出席し、革命に生きた偉人の話に感銘をうけたり〉(同前)

 受動的だった信仰が自ら選び取るものに変わったのは小学校5年のころ。生身の池田氏との出会いがきっかけだった。

〈私も手をあげて、少年部員会(当時)で聞いていたジャンヌ・ダルクのことを質問しました。先生は即座に「火あぶりの刑になって不幸な一生だった。あなたのほうがずっと幸せなんです。妙法のジャンヌ・ダルクになっていきなさい」と話された。お帰りになるときも、「さよなら! ジャンヌ・ダルク」とあたたかく握手してくださった〉(「第三文明」2003年1月号)

 これが人生を決めた。

 難解な教義のテキストを暗誦して何度も読むようになった。大学卒業後、聖教新聞記者だった時期もある。そして結婚して2人の男の子を育てた。

 さまざまな発言の中には選挙を「闘争」と捉えた猛々しい言葉や棄教者を指弾する表現があり、違和感が否めない。だが、「非エリート」であろうとする姿勢には、筆者も共感を抱いた。

〈婦人が数人集まって、そのうちの一人が深刻な悩みを抱えていれば、その悩みを我がこととして同苦し、解決の方向に努力する。学会活動を続けていくうちに、そうするのが当たり前になっていくわけです。だからこそ、いわゆる普通の主婦が、自然体で平和運動に参加できる〉(「第三文明」1998年7月号)

関連キーワード

トピックス

令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
常に全力笑顔の林家つる子
《抜擢で真打ち昇進》林家つる子、コロナ禍でYouTubeに挑戦し「揺るがない何かができた」 サービス精神旺盛な初代・林家三平一門の系譜
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン