単身で2度目の海外公務

単身で2度目の海外公務(11月、ペルー。写真/共同通信社)

ジェンダー平等は女性皇族の“夢”

 ガールスカウトはキャンプなどのプロジェクトを通じて、実行力、コミュニケーション能力、リーダーシップ能力を培うことを目的としている。

 ガールスカウトと皇室のかかわりは深く、1957年に故・秩父宮妃が箱根で開かれた第1回のガールスカウト全国大会に参加されたことに始まる。1963年には美智子さまも参加。以降、美智子さまは何度も足を運ばれ、1980年には黒田清子さんを連れ立たれた。

 佳子さまが初めてかかわられたのは、2010年、長野県戸隠で行われたインターナショナルキャンプである。佳子さまは高校1年生で、紀子さまとともに参加されていた。

「前年からガールスカウトの会長が和田照子さんに変わりました。佳子さまはいたく彼女の主張に耳を傾けられ、尊敬されているといいます。美智子さまが国連難民高等弁務官だった緒方貞子さんを“民間人のロールモデル”とされていたように、佳子さまの“お手本”は和田さんというくらい重要な存在だそうです」(前出・ガールスカウト関係者)

 和田氏は1969年生まれ。早稲田大学を卒業し、東京大学大学院を修了後、経団連に属し、現在は国際経済本部本部長を務める。その傍ら、プライベートでガールスカウトの活動に尽力し、2011年から2017年まで日本人として2人目のガールガイド・ガールスカウト世界連盟理事に就任した。そして彼女が世界連盟理事を退任し、日本連盟に再び注力するようになった2017年以降、ガールスカウトの活動は様変わりしていく。

「『ジェンダー平等』を明確に旗印として打ち出すようになりました。重視するのは『少女と若い女性』の権利。2019年には“ジェンダー平等を目指して、自分ごとで考える”『#じぶん部』プロジェクトを始め、翌年には『ジェンダーに関する女子高校生調査報告書 2020』を発表するに至っています」(前出・ガールスカウト関係者)

 世間に対して最もインパクトを与えた活動は、2020年に行われた、ファミリーマートの総菜ブランド「お母さん食堂」の名前を変えるべきというオンライン署名運動だ。

「女子高校生たちが行動を起こし、ガールスカウトはそれを支援する、という位置付けでしたが、実質的な主導者は和田さんです。少女や若い女性がジェンダー平等を主張すれば、より幅広い世代の共感を呼ぶはずだという意図があったのかもしれません」(前出・ガールスカウト関係者)

 和田氏には、皇室と直接のかかわりがある。2010年、皇居に出向いて美智子さまに対してガールスカウトの現状を説明。2019年以降は、毎年佳子さまを主催イベントに招聘し、メッセージやスピーチを賜り、佳子さまは2020年に寄せられたビデオメッセージから冒頭のスピーチに至るまで、連続でジェンダー平等に関するご発言をされてきた。

「眞子さんの結婚を機に、佳子さまは、改めて皇室内における女性皇族のお立場について熟考されたでしょう。ガールスカウトの提唱する『ジェンダー平等』は、女性皇族として追い求めたい“夢”でもあるのかもしれません。

 お言葉からは、自分は皇室制度の“被害者”だという意識がにじみ出ているように思えます。和田さんはそうしたお気持ちに深い共感を示し、佳子さまを導いたのでしょう。国民的知名度を持たれる佳子さまの発信は、これ以上ない“広報”です」(前出・ガールスカウト関係者)

 日本の皇室はしばしば海外から「女性差別」的だと指摘を受けてきた。その皇室内にいる佳子さまが「ジェンダー平等」を主張する意味は大きい。

「現役の女性皇族からの内部告発と世界に受け取られても仕方ありません。秋篠宮さまは、性別をフラットに捉える方ではありますが、皇室の中枢を支える身として佳子さまの忌憚のない言動には頭を悩ませていらっしゃいます。また、佳子さまと、ガールスカウトという特定の団体の関係を慎重に見守られているようです」(前出・宮内庁関係者)

 佳子さまのご主張は、社会にも皇室にも大きな一石を投じている。

※女性セブン2023年11月23日号

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