ライフ

コタツ記事の隆盛を憂い、その無意味さを訴える意味を込めて、コタツをテーマにコタツ記事を書いてみた

こたつから“よっこいしょ”と立ち上がる動作だけでも血圧は上昇するという(イメージ)

コタツに座っていても書ける、という意味(写真はイメージ)

 ニーズがあるからまかり通っているのか、どうなのか。コラムニストの石原壮一郎氏が「コタツ記事」について考察した。

 * * *
《世の様の手に取る如く炬燵の間》

 正岡子規の後継者で、超人気俳人だった高浜虚子が詠んだ句。「炬燵(コタツ)にあたっていても、世の中の出来事が手に取るようにわかる」という意味です。さすが虚子、まさに現在の「コタツ記事」の隆盛を見事に予言していると言えるでしょう。今日もコタツから出ないまま「世の様」を書いた記事が、あちこちのメディアで発信されています。

 ジャーナリストの江川紹子さんが、11月21日に自身のエックス上で次のように記して、いわゆる「コタツ記事」を痛烈に批判しました。

〈スポーツ紙のコタツ記事は、なんとかならないか。Xでのつぶやきを拾うくらいならまだいいが、それなりに時間をかけて書いた原稿をつまみ食いして刺激的な見出しでPVを稼ぎ(金銭も発生。ほとんどドロボーじゃないか)、その見出しを見て短絡的に逆上する人たちの矛先はこちらへ。メディアの倫理を問う。〉

 さらに「江川紹子氏、『スポーツ紙のコタツ記事ははほとんどドロボー』と私見」とかって、コタツ記事を出してみろよ、と言いたい。〉とも。

 江川さんのお怒りはごもっともです。前々から不快に思ってらっしゃったのでしょう。ネットに流れてくる記事には、タレントや著名人の発言を引用して並べているだけのものや、人気ドラマのあらすじを広報資料を元に紹介しているだけのものが大量にあります。

 多くの人が多様な情報に触れることができるという点では、ドロボー……じゃなくて、コタツ記事にも三分の理がないわけではありません。ただ、番宣系のコタツ記事は持ちつ持たれつだとしても、発言や原稿を引用され損という状況は明らかにヘンです。

 コタツ記事の隆盛を憂い、コタツ記事の無意味さを世に訴える意味を込めつつ、ためしに「コタツ」をテーマにしたコタツ記事を書いてみましょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン