国内

取材予定だったヤクザが直前に逮捕 何があったのか?知人の暴力団関係者が明かした顛末

突然「逮捕」の知らせ(イメージ)

突然「逮捕」の知らせ(イメージ)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、取材予定だったヤクザ突然、逮捕されたときの顛末と残された謎について。

 * * *
 早朝にスマホが鳴った。電話をかけてきたのは関東を拠点に活動している指定暴力団の関係者D氏だ。早朝から彼が連絡してくることは滅多にない。いったい何が起こったのかと電話に出た。

「緊急連絡です」というD氏の大きな声がスマホから響く。関係している組が他の組織に襲撃されたのか、親分が何らかの罪で逮捕されたのか、それとも……と咄嗟にいくつものケースが脳裏をよぎり、○○組の幹部が△△組の事務所にミニバンで突っ込んだ動画や、××組の組員が駅で刺されて血だらけになっていたシーンを思い出す。

「何が起こったのか」と尋ねると、D氏は「逮捕されました」と答えた。逮捕されたというのに、なぜか声が明るい。逮捕されテンションが上がってしまったのかと思ったが、まさか逮捕されたという本人が、警察署から携帯でこちらに電話してくることもあるまい。「逮捕?誰が」と重ねて聞くと、「またムショに逆戻りですよ」とD氏がいう。

 そこでようやく話がつながった。彼の紹介で某暴力団の組員Yに、近々話を聞くことにしていたのだ。そのYが昨夜、逮捕されてしまったという。留置によってスマホが取り上げられる前に、D氏の所に電話があったようだ。「取材できなくなったな」とD氏はいうが、ヤクザを取材しているとこういうことは時々起きる。

 そのD氏も以前、約束した場所に現れなかったことがある。暴力団関係者は基本的に、カタギである一般人との約束はきちんと守る。ルールが厳しい組織で生きているため、よほどの事がなければ約束事をドタキャンすることはない。予定時刻に遅れそうなら、きちんと遅れると連絡を入れてくる。だがその日はいくら待ってもD氏は来なかった。携帯を鳴らしてもつながらない。そのうち携帯の電源は切られてしまった。

 翌朝になっても携帯の電源は切れたままだ。こうなると可能性は2つしかない。下手を打って他の組の誰かに拉致されたか、もしくは警察に逮捕されたかだ。D氏も「ヤクザに電話して、電源が入っていない状態が数日続けば、そいつは死んでいるか、逮捕されていると見て間違いない」と、連絡が取れなくなった知人について話していたことがある。この時ばかりはD氏の身の安全を思い、警察に逮捕されていてほしいと願った。案の定、D氏は詐欺容疑で逮捕されていたが、勾留期間が終わったところで容疑が晴れ、釈放されてきた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン