国内

岸田内閣“世襲女性大臣”は政治資金問題だらけ 加藤鮎子氏は母に家賃、自見英子氏は父に献金、土屋品子氏は家政婦を第一秘書に

世襲の3議員に政治資金問題が浮上

世襲の3議員に政治資金問題が浮上

 世襲政治家が多すぎる─―叩き上げの野田佳彦・元首相が国会で「ルパンだって三世まで」と批判して話題となったが、岸田文雄・首相をはじめ閣僚の約半数が世襲だ。

 岸田首相が「女性登用」を強調した5人の女性閣僚のうち、3人は父も大臣を務めた“世襲大臣”だ。その政界のプリンセスたちが次々とカネの問題で炎上している。

 まずは2児の母で「こども政策」を担当する加藤鮎子・少子化相だ。父は官房長官などを務めた紘一氏、祖父の精三氏も代議士という3世議員だが、政治資金で地元・山形県鶴岡市の事務所の家賃として実母に毎月15万円を支払い続けていることが問題化した。

 加藤氏の地元事務所は祖父の名を冠した「精三会館」という地上2階建ての建物で、もとは父が所有し、父の死後は母名義となっている。加藤家が受け継いできた不動産だけに、「家賃名目で政治資金を母親に還流しているのではないか」と指摘されている。賃料が相場より高い場合、公選法で禁じられている寄附に該当する可能性もある。

 だが、加藤氏は会見で「15万円は相場の最低ラインだ。複数の不動産関係の方々からいただいた情報をもとに設定した」と言い張った。地元支援者が語る。

「代々、多額の政治献金を集めてきた世襲政治家は、政治資金と自分のお金の区別が曖昧になってくるんじゃないか」

 その加藤氏がこども担当大臣として打ち出したのが、保育所や幼稚園、認定こども園に通っていない2歳までの乳幼児を、1か月10時間を上限に無償で預かる「こども誰でも通園制度」だ。

 しかしこの制度は、子育て世代から「週1で利用すると2時間半。そんな短時間では何もできない」と批判を浴びている。世襲議員の“世間知らず”ぶりが政策にも反映されたようだ。

娘への献金で父が活動

 大阪万博の高額建設費をめぐって国会で矢面に立たされている自見英子・万博担当相も政治資金を父に“仕送り”していた。

 自見氏の父は郵政大臣や金融担当相を歴任した庄三郎氏。医師会をバックにした自民党厚労族の大物として知られたが、2013年に引退。入れ替わるように娘の自見氏が2016年参院選(比例区)で日本医師会の“お抱え議員”として当選した。

 医師会をバックにしているだけに、自見氏は自民党でも有数の資金力を誇る。改選された2022年だけで、日本医師会の政治団体「日本医師連盟」や全国各地の医師連盟など医療関係団体から約2億円もの寄附を受けた。

 しかも、その豊富な資金を父の政治団体に寄附しているのだ。自見氏の資金管理団体「ひまわり会」の政治資金収支報告書によると、庄三郎氏が引退後も代表を務める政治団体「庄政会」に2021年に400万円、2022年に450万円を寄附している。

 奇妙なことに、この庄政会は北九州市の自見氏の地元事務所と同じ所在地に置かれており、地元関係者は「自見事務所には父の庄三郎さん専属の秘書がいて、お世話している。お父さんも一緒にいます」というから、自見事務所と一体のようだ。

 庄政会の政治資金収支報告書(2022年度)を詳しく見ると、収入は地元の医師などの寄附が60万円あるものの、大半は娘の資金管理団体からの寄附だ。そのカネで地元のホテル代(7万円)やライオンズクラブの会費を支払い、娘の事務所に“同居”しているのに事務所費も約270万円支出していた。他の政治団体への寄附もしている。

 引退した庄三郎氏の資金パイプが細り、娘が医師連盟などから得た献金を父の政治団体に“還流”させて面倒を見ているという構図が浮かぶのだ。

 議員を引退した父の政治団体への寄附は、“仕送り”ではないか。自見氏は事務所を通じてこう答えた。

「庄政会には、ひまわり会の政治活動を支援していただいていることから、財政的支援をしている」

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン