第一秘書はお手伝いさん
3人目は土屋品子・復興相だ。父の義彦氏は環境庁長官、参院議長から埼玉県知事となり、県政に絶大な力を振るった人物だ。
「料理研究家」だった土屋氏は、父が知事時代に衆院選(埼玉13区)に出馬。無所属だったが、父の威光で自民党や主要野党が対立候補を擁立せず、楽々当選した。
その土屋氏、都内で開いていたフラワーアレンジメント教室の家賃を政治資金から支出し、埼玉県春日部市の実家の豪邸に長年住み込みで働く家政婦の女性を公設秘書にしていると報じられた。
これらの問題について、土屋氏は記者団にこう弁明したという。大手紙記者の話だ。
「お花の教室の家賃は、部屋の半分を事務所に使っていたので、政治資金から家賃を半分支払っていた。お手伝いさんの秘書は、第一秘書として経理全体を見ていて、実家に住んではいるが、敷地が広いので別棟で生活も別。高齢の母親の面倒は違うお手伝いさんがみていると強調していた」
ジャーナリストの横田由美子氏が語る。
「土屋氏は県内の建設業者や各種団体が知事の父にひれ伏す様子を見ながら政治家になった。初当選した当時も、休日には大宮の高島屋や浦和の伊勢丹に通い、高級ブランド品を買っていました。
いつもシャネルのバッグを抱え、ブランドショップに行っている姿を見掛けたこともあります。庶民とは感覚が違う。復興大臣になっても、被災地を視察したのは就任から3週間後で、復興庁の役人から『早く現地を見てほしいとお願いしているのに、腰が重すぎる』という声があがっていた」
世襲議員にとって、政治活動は政治資金というお小遣いをもらうための“お手伝い”感覚なのだろう。
※週刊ポスト2023年12月15日号