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サラブレッドの神秘さを感じさせる「母系」の血統 エアグルーヴの血統は華麗なる一族

「僕たち調教師にとっても血統というのは馬を見るための重要な拠り所」と蛯名正義氏は語る

競走馬の母の血統について蛯名正義氏が語る

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏は、2022年3月から調教師として活動中だ。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、競走馬の母の血統についてお届けする。

 * * *
 血統を知る第一歩として、まず父親に注目してみてはどうかとお話ししましたが、サラブレッドの神秘さをさらに感じさせてくれるのは母系です。母馬は年に1頭しか子供を生むことができません。だから、かつて騎乗したことのある牝馬の子に出会うと、あのお嬢さんもお母さんになって、こんなにいい子を生んだのだなあと、感慨深いものがあるものです。

 先日、鹿戸雄一厩舎のルカランフィーストという馬が新馬勝ちを飾ったのですが、このお父さんは僕が騎乗して皐月賞を勝ったイスラボニータ、お母さんはやはり僕が騎乗して特別を2勝したゴージャスランチです。だから冗談で「僕の馬じゃないですか」と言ったら、鹿戸先生もすぐピンときたらしく、「そうだよ、次はマサヨシが乗ってくれ!」なんて言われました(笑)。

 今ウチの厩舎にいる馬でも、アスパルディーコのお母さんのアパパネには三冠を獲らせてもらったし、そのお母さんのソルティビッドにもGIで乗せてもらっています。ソルドラードのお母さんのラドラーダにも乗ったことがあるし、お母さんとは縁がなかったけれど、お祖母さんに乗った、ということもあります。ラインポーチュラカという2歳馬のお母さんにもお祖母さんにも乗っています。4代続けて乗ったというのもあります。

 そんな時、ああ、僕も歳を取ったんだなあと思うわけです(笑)。逆に言えば、いい血統はそれだけ長く伝えられるものなのです。この仕事をしている楽しみの一つです。

 血統表では、母、母の母、母の母の母というのは一番下に並んでいます。これをボトムラインといいますが、母親にはピンと来なくても、何代か前に知った名前があることがあります。セリ名簿などでボトムラインを辿るのが好きな長年の競馬ファンも多いのです。

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