一方、高齢者で脇の下や鼠径部など間擦部の皮膚が肥厚し、ザラザラとした色素沈着を伴う場合は胃がんなど消化器系の悪性腫瘍の可能性もあるため、注意が必要だ。また環状紅斑という体のどこかの皮膚に円状の紅斑が出現したら、消化器系のがんや膠原病の疑いがある。
「高齢者は皮膚が乾燥傾向にあり、皮膚のサインに気づきにくいことがあります。それでも皮膚症状が短期間に出現し、増える、大きくなるといった変化を確認した時点で、皮膚科専門医の受診を薦めます」(樋口教授)
他に、炎症性の赤い発疹が出てくる皮膚筋炎という膠原病の中には悪性腫瘍を合併しやすいタイプもある。
なんにせよ、日頃とは明らかに違う皮膚の症状が出現した時は疾患が潜んでいるかもしれないので留意したい。
逆に、皮膚障害の一つ乾癬が内臓に与える怖い影響もあるが、詳細は次号にて。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2024年1月1・5日号