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オバ記者の2023年10大ニュース「コロナ発症」「亡き弟と再会」「貸した5万円が返ってきた」など

『アルプスの少女ハイジ』はなぜ人気なのか(写真/GettyImages)

オバ記者にとっての2023年は?(写真/GettyImages)

 2023年の“今年の漢字”は「税」だったが、あなたにとってはどんな年だっただろうか──。『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、自身の2023年を振り返る。

 * * *
 ひと言でいえば、2023年は最悪のことと最良のことが同時に起きた年だったと思う。最悪とは何か、最良とは何かを考えた年だったかも。

 というのも、還暦を過ぎてからの5年間は、弟、義父、愛猫、母、親友の病気見舞いと介護と葬式と法事が数珠つなぎ。パンチを浴びすぎたボクサーが次第に痛みを感じなくなるように、一つひとつ対応はしたけれど、どこか上の空だったのよね。

「上には上がある」って、こんなときに使う言葉かどうか知らないけれど、身近な人の死以上の「最悪」ってあるかしらと思っていたら、あったのよ。

 それは、年明け早々、新型コロナを発症したこと。私ひとりがコロナになって、ひとり都会の藻屑になるのは無念だけど、でも、それだけで済むなら、私が私を諦めればいい。気持ちに出口があるのよ。でも、私がいまでも「最悪」と思っているのは、独り身の私を気遣って、年末年始のイベントに呼んでくれた親戚の家で発症して、その家族を感染させたこと。

 先方にもしものことがあったらどうする!? 私ひとりの命と引き換えにして足りることじゃないでしょ。「わざとじゃないんだから仕方ないよ」と咳き込みながら気遣ってくれた親戚のYさんの声を思い出すと、いまでも涙腺がゆるむ。

 幸い、誰も重篤な状態にならずに済んだけれど、それからよね。毎朝、誰にともなくコップに水を汲んで手を合わせるようになったのは。

 では、「最良」は何かというと、10月18日、生まれ故郷の茨城県桜川市で『自身と家族のがんからオバ記者が見たこと、感じたこと』というテーマで講演をしたことだ。平日の午後なのに大勢の人から大きな拍手をいただいたときの喜びは、何ものにも代えがたいもので、いまも私の気持ちをほっこりさせてくれている。

 ライターとしての喜びはまだある。

 茨城新聞からインタビューを受けたり、本誌・女性セブンと『みんなの教育技術』という教員向けのウェブ版雑誌の企画で永岡桂子文部科学大臣を2度インタビューした。それと、補聴器の取材でお会いした翌日、「昨日はありがとう」と電話をくれた井上順さんのことも忘れられない。

 と、あっという間に5大ニュースが埋まってしまったけれど、そうそう、生命保険の見直しも66才の私にとって大きな出来事だったと思う。昨秋、「境界悪性腫瘍」の大手術をしたときに、ビタ一文、保険金がおりなかったがん保険をスパッとやめて外資系に切り替えたの。

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