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【パリ五輪展望】マラソン大国・日本は「復活」か「失墜」か 「箱根で活躍しなかった代表選手に“伸びしろ”あり」と谷川真理氏

プロランニングコーチの金哲彦氏(左)とマラソンランナーの谷川真理氏

プロランニングコーチの金哲彦氏(左)とマラソンランナーの谷川真理氏が対談

 2024年7月には、4年に一度の祭典である夏季五輪がパリで開幕する。大会最終盤の花形競技・マラソンで、日本勢はかつての輝きを取り戻せるのか。テレビ解説でおなじみの谷川真理氏(マラソンランナー)と金哲彦氏(プロランニングコーチ)の見通しは──。

金:パリ五輪のマラソンはパリ市庁舎をスタートして、ルーブル美術館やベルサイユ宮殿などを巡るコースです。谷川さんは1994年のパリマラソンで優勝されましたよね。

谷川:五輪のコースとは違いますが、パリは石畳の道が多い。地面の硬さが気になるかもしれません。あとは気候ですね。温暖化が凄いから。

金:たしかに、“ヨーロッパの夏は涼しい”というイメージは過去のものです。昨年8月にハンガリー・ブダペストの世界陸上を現地解説しましたけど、凄い暑さでした。

谷川:あまりに暑いと、アフリカ勢のトップ選手もそこまでスピードを出せない可能性があります。

金:自重しますからね。

谷川:スピードで後れを取る日本人選手も集団についていきやすいと思う。

金:ただ、ブダペストでもそうでしたが、ケニア、エチオピアなどのトップ選手は急にペースアップしたり、落としたり、揺さぶりをかけてくる。

谷川:余裕があるからできるんですよね。日本選手のベストタイムは男子でもトップ層より4~5分遅いから、前に出るのはなかなか難しい。

金:ブダペストでは山下一貴選手(26)が集団から離された後も粘り、落ちてくる選手を抜いて順位を上げていった。

谷川:最後に足がつらなければ入賞でした(結果は12位)。

金:ああいう走りができるかどうかが、上位進出のカギでしょう。

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