ライフ

便秘薬、頭痛薬、総合感冒薬にも副作用が 医師と薬剤師が教える「薬をやめたら症状が治った」実例集

(写真/PIXTA)

薬の飲みすぎが頭痛を招くことも(写真/PIXTA)

 体の調子が悪いから薬を飲んでいるのに、その薬が体調悪化の原因だとしたら──医師と薬剤師が明かす実例と、あなたの不調を照らし合わせて確かめてみてほしい。【前後編の後編。前編を読む

 めまいやふらつきが「更年期のせい」と思われやすいのと同様、「疲れがとれない」のも年齢のせいにしがち。だが、こちらも薬の副作用である場合が少なくないようだ。薬剤師の三上彰貴子さんが解説する。

「高齢者は便秘薬として酸化マグネシウム製剤が処方されているかたが少なくない。市販薬としても売られる安全な成分ですが、服用が長期間になると血中濃度が高まる『高マグネシウム血症』になり、倦怠感や吐き気を感じる場合がある。ひどくなると意識障害に至ることもあります」

 コレステロール値が高い人に処方される脂質異常症治療薬でも、倦怠感の副作用が出ることがある。三上さんが事例を話す。

「コレステロール値を下げる薬をのんでいた高齢女性が、だるさと微熱を訴えたので検査をすすめると白血球減少症という状態になっていることがわかりました。その後、免疫力が低下してしまったのか感染症にかかって71才で亡くなりました。まれな副作用ですが、ほかの薬剤でも起こります。服用後にだるさを感じたら、肝機能や白血球に異常をきたしている可能性もあるので一度医師に相談してください」

 特にコレステロール値を低下させるスタチン系の薬には気をつけるべきと、日本初の「薬やめる科」を設ける松田医院和漢堂院長の松田史彦さんが指摘する。

「スタチン系の薬にはだるさのほかにも、筋肉が溶ける横紋筋融解症や夜ごとの夢にうなされる悪夢などありとあらゆる副作用がある。そもそもコレステロール値が高くないのに処方されていたり、薬で値が下がりすぎているケースも散見される。必要のない薬の副作用に苦しめられている人は多いです」

 20〜40代の女性に特に多い頭痛も、実は薬が原因である場合が少なくない。はしぐち脳神経クリニック院長の橋口公章さんが指摘する。

「頭痛薬をのむ頻度が月に10〜15日以上あって習慣づいてしまい、のまないと痛みが強くなる状態を『薬剤の使用過多による頭痛』と言います。慢性的な頭痛に悩む人は薬がないと頭痛が起こるため、痛くなくても“大事な会議のため”“デートや食事会の予定があるから”と予防的に薬をのんでしまいがち。薬の量が増えると、脳が敏感になるなどし、さらに痛みを強く感じることにつながります」

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン