10m超の津波がくる「アウターライズ地震」
関東で要警戒とされるのが「千葉・茨城エリア」だ。
「このエリアは“地震の巣”と呼ばれ、特に房総半島沖では地震活動が変化しています。非常に不安定な状態であることから、警戒を怠らないでください」
さらに、東日本大震災後のリスクとして、日本海溝の外側(アウターライズ)で発生する「アウターライズ地震」の可能性がある。
「アウターライズ地震は、最大でM8クラスの地震と10mを超える高さの津波の到達が予想されます。明治三陸津波地震の37年後に昭和三陸津波地震があったように、今も3.11に連動するアウターライズ地震が起こる可能性は排除できません。このエリアは比較的広範囲に顕著な静穏化異常が出ているので、引き続き注視が必要です」
3.11や能登半島地震のような巨大地震の本震後は、長期にわたる余震への備えが欠かせない。
「観測網の進歩で『今、地下で起きている異常』を地下天気図で示すことはできますが、『このエリアでただちに地震が起きる』と予測することはできません。いつ地震が起きるかがわからない以上、まずは足元で進行している異常を知り、防災・減災の取り組みを続けてほしいと願っています」
※週刊ポスト2024年1月26日号